岩波文庫
①著者別番号:緑27-11
②作者:泉鏡花
③解説:佐藤春夫
④発行日:1991年3月7日 第3刷(1955年8月5日 第1刷)
⑤装丁:カバー装 212頁
⑥状態:普通 蔵書印なし、書き込みなし
⑦コメント:1991年春のリクエスト復刊の1点。入手困難。
本書は、理想家・泉鏡花の倫理を主題にして、その理想主義をもっとも鮮明にあらわれた一篇である。主人公たる裁判官板倉の自己反省の厳しさと彼の愛人たる芸者の貞操観念の堅さはともに自己の信念に殉じて身命を捨てることをも辞さないのである。鏡花がこれらの人物に注いだ熱情と意気は人の肺腑をつく。八年の歳月を費やして成った鏡花大正期の力作である。