Song Is Heart. 愛する人のためにこの歌を伝えたい。ひたむきな愛と絶え間なく降り注ぐ優しさを輝きに変えて。そんなアルバムに仕上がった今回のセーケも実にいい。前作『A SONG FOR YOU』から約一年の時を経て、彼女自身、大きな変化を経験し、その感性にも更なる深みを帯び、アルバムのコンセプトは前作以上に明確になり、より鮮明な響きで訴えかける。まさに心身共に充実した内容となっている。妖精の殻を打ち破り、女神へと変貌を遂げる一歩を踏み出したその瞬間を目の当たりにすることができる喜びと、素晴らしい進化の過程をこの耳にしっかりと刻んでおこう。少しの変化も見逃さない様に。
ロバート・ラカトシュの美しいピアノの吐息に呼応し、ベースのヨージェフ・ホルヴァート・バルツァにもしっかりと寄り添いピュアな歌唱は新たな境地を見せつける。胸に迫りくる熱い想いを捧げたTr.1では、曲の美しさに負けることなく見事に歌い上げ、Tr.2においてはその映像が脳裏をかすめ感傷的な雰囲気で包み込む。Tr.4,Tr.6,Tr.10でのさり気ない選曲に驚かされ、それらの曲の魅力を再認識させる。得意なナンバーTr.8では余裕すら感じさせ、自作曲Tr.11は愛する者への十分すぎる想いを切々と表現している。ビートルズナンバーTr.14はベースとのデュオで締めくくる。彼女にはまだ見えない、いや計り知れない何かがあることを確信し、ずっと見つめ続けて行くことを心に誓う。彼女が伝えたいメッセージ、それはTr.1の歌詞のなかにある。
『How wonderful life is while you're in the world』!!! それがすべてだ。
Text by 足立 豪樹