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商品説明
1911年山口県出身。1974年没。東京美術学校で藤島武二に学び、戦後のシベリア抑留体験を描いた「シベリア・シリーズ」によって戦後日本洋画史に確固たる位置を築いた画家。1969年に第1回日本芸術大賞を受賞。
1969年頃から版画制作を本格化し、晩年にはギリシャ、モロッコ、タヒチ、ニースなど旅先で得たイメージを次々と版画集へ展開している。

本作《ルノアールの庭》は1974年の木版画集《ニース》所収作品。前年1973年に香月はニースを訪れており、フランスは彼にとって最後の海外訪問地となった。現在、同作は下関市立美術館にも収蔵され、レゾネNo.157として記録されている。
注目したいのは、香月作品における「黒」から「色彩」への変化。
本格的なシベリア・シリーズでは黒や褐色を基調とした重厚なマチエールが精神性を担っていたのに対し、1960年代後半以降、画面には徐々に色彩が戻り、晩年の旅行作品では鮮やかな色が大きな役割を占めるようになった。

本作では緑を単純なベタ面にせず、版木の摺りによる無数の掠れを残すことで、木漏れ日や葉のざわめきを表現。褐色の樹幹には鋭い線を走らせ、柔らかな緑の面との対比によって画面にリズムを生み出している。
写実的な庭園画ではなく、「庭を見た時に香月の眼に残った光と形」を再構成した作品と見ると面白い。
シベリアという極限の記憶を描き続けた画家が、人生の最晩年に南フランスで見つけた明るい緑。
その対比まで知った上で眺めると、この一枚が単なる美しい風景版画ではなく、香月泰男の晩年を読み解く重要な作品に見えてくる。


作家名香月泰男
作品名ルノアールの庭「木版画集ニース」より
技法・ED木版 限定HC部
サイン印
作品サイズ縦37.5cm×横26.5cm(窓寸)
作品状態ヤケ、薄いシミ
額サイズ縦67.7cm×横51.9cm
額状態マット所々にシミ
付属品・備考無し/制作年:1974年 レゾネ:阿部出版No.157


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