キャステルズは、50年代の後半に北部カリフォルニアのサンタ・ローザでリード・ヴォーカルのチャック・ギラード(ジャケット写真左右から3番目の真ん中に写っているのがチャック。女性はフォト・セッションのみでメンバーではない)を中心に結成されたヴォーカル・グループです。"SACRED"(61年20位)や"SO THIS IS LOVE"(62年21位)のヒット曲を持つグループと言うよりは、64年にビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンのプロデュースによる"I DO"というビーチ・ボーイズでボツになった曲を出したグループと言ったほうが通りがいいかも知れません。
それほどまでにこの"I DO"は素晴らしい曲なのですが、この曲のスタイルはザ・キャステルズの本質ではなく、むしろイレギュラーな作品。
彼らのスタイルは、ヒットした2曲に見られるような爽やかな正統派のヴォーカル・グループ。ロックン・ロールでもなく、もちろんホワイト・ドゥー・ワップでもなく、どちらかというとレターメンのような上品で爽やかな作品を多く残しています。どこか懐かしい、郷愁への想いを誘うようなサウンドですね。
中には17.のようにティーン・ポップスをホワイト・ドゥー・ワップ・グループ風味で味付けしたような曲もありますが、"I DO"の路線を期待すると「.....」となってしまいますのでご注意下さい。
なお、チャック・ギラードと、グループの他のメンバーであるジョー・ケリーとヴァン・クルーゲルは、グループ活動と並行しながらゲイリー・アッシャーのサーフィン・サウンドのヴォーカリストとしても活躍しました。特にチャックはアッシャー関連の有名なグループ、ホンデルズなどでリードを歌っています。(もちろん、ホンデルズの大ヒット"LITTLE HONDA"も!)ブライアンとはアッシャーを通して知り合い、タイマーズというグループ名で発売されたビーチ・ボーイズのカヴァー曲、1963年発売の"NO GO SHOWBOAT"のセッションで初めてブライアンと仕事をしたそうです。当時キャピトルの契約下にあったブライアンの声を隠すために、高いパートをブライアンと一緒に歌ったのでした。こうした縁でブライアンから"I Do”をプレゼントされ、プロデュースまでしてくたのです。
本盤にはヒットを出したERAレーベル時代を中心に、次に移籍したWARNER時代の"I DO"がオマケ的に収録されています。本CDには残念ながら未収録ですが、"I DO"のB面だったリー・アンドリュース&ハーツのカヴァーである"TEARDROPS"もなかなか良いし、他にワーナーから出た2枚もフォー・シーズンズのようなスタイルで良い内容の作品です。さらにワーナーの次に移籍したDECCAの2枚はゲイリー・アッシャーのプロデュースで、またまたフォー・シーズンズ・スタイルだし、チャック・ギラードとジョー・ケリーがCHUCK AND JOE名義のデュオで同じくデッカから出した2枚(またまたアッシャーのプロデュース。これはライチャス・ブラザースとそっくり!)なんかもまとめて聴けるCDが出ると助かるのですが...発売期待します(笑)