2A3シングルのモノラルアンプを2台出品します。

基本回路は浅野勇氏の2A3ロフチンアンプで、本機はこのアンプをアレンジされた新忠篤氏の回路をベースにしたモノラルアンプです。新忠篤氏発表の2A3シングルはステレオアンプであり、私はこの回路が好きで幾つかステレオアンプを自作してきました。新忠篤氏がラジオ技術誌2000年11月号に掲載された記事のコピーを添付致します。

今回モノラルアンプにした理由は、2A3シングルの電蓄に使用したゼブラの大型電源トランスが手元に有り、かつ電源トランスは1つしか無かったためです。そのため最初はモノラルアンプ1台だけだったのですが、その後に同じゼブラトランスを入手したので追加で1台製作したものです。但し、製作時期が少し違いますので、全てに同じ部品を使用することは出来ませんでした。

シャーシの製作および孔開けは専門の金属加工会社に依頼しましたから、シャーシの状態は良好と思います。2A3のプレート電流を常時監視する100mAの電流計が設けて有るので、2A3の健康状態が常に分かります。なお、シャーシ手前のボリュームは2A3のハムバランサで、音量ボリュームは入力端子に隣接して設けて有ります。2A3を頻繁に交換して音質を確認される際に、手元のハムバランサは調節し易いと思います。

また気休めですが、電源スイッチの隣にプレート電圧のスイッチを設け、電源投入後に遅延してプレート電圧を印加するようにしました。それぞれのスイッチを投入すると、各スイッチに応じてパイロットランプが個別に点灯します。

最初の1台のチョークコイルは、電源トランスと同じゼブラの未使用品で、リード端子が露出してるので山水の銘板でカバーしました。使用した出力トランスはトライアル・エレクトリック・プロダクツの超弩級シングル238Aで、前記の製作記事で新忠篤氏が絶好のトランスとして絶賛されています。

後に製作したアンプのチョークコイルは山水のものです。出力トランスは前記トライアル238Aを使いたかったのですが、絶版になったためラックスの大型シングルトランスを使用しています。

使用感ですが、モノラルアンプですからチャンネルセパレーションが良いのは勿論、ハムバランサを調節するだけでハムは私のシステムでは殆ど感じられません。付属の真空管75の1本はベースが少し緩くなってますので、保守用として真空管75を2本お付けします。なお、裏蓋を外して配線状態を見て貰うと良いのですが、重いので御容赦下さい。

断捨離の一環として出品しますので、如何ですか。パーツ類は良い物を使いましたから、部品取りにも良いかと思います。真空管は外して別途厳重梱包しますから、段ボール箱で3個口になります。

ノークレーム・ノーリターンでお願いします。同日出品の品物の同時梱包は出来ません。また、評価の芳しくない方や入札履歴の少ない方は、当方の一存で取り消させていただきます。御了承ください。

(2022年 8月 8日 10時 32分 追加)




お問い合わせが有りましたので、追記致します。



何れのアンプも既に梱包済みですから、詳細には確認しておりません。ラックスの出力トランスの型番はシングル用OY15-2.5K.H.Sだったと思います。シングル用として別にOY15-3.5KSも有るようですが、恐らく前者を使用しました。



一方のアンプの出力トランスはトライアル238Aで、他方のアンプの出力トランスはラックスOY15-2.5K.H.Sですから、私も両トランスの音色差を懸念しました。トライアル238Aが入手不可能なので、新忠篤さん採用のタンゴFWー20Sでは役不足と思い、過去に好結果を得た記憶があるラックスの出力トランスを採用した経緯が有ります。



結果ですが、私の耳では大きな音質差は感じませんでした。後日になりますが、老舗オーディオショップの店主が納品に来宅されたので、試聴の感想をお聞きしました。交互にモノで聞き、またステレオで聞いた後に、普段は辛口の店主が好評価して下さったことだけお伝えします。



大型の2A3が映っていますが、これは300Bでは有りません。クラシックコンポーネンツが発注した同社ブランドの中国球で、大型シングルプレートでもあり大変良いものと思っています。整流管はマツダと日立の5Z3で、比較的最近に中古良品に交換しました。初段管の75はレイセオンとGEで、GEの球のベースが少しルーズになっています。



電源コードはキャノン?プラグですが、何れも付属します。



(2022年 8月 10日 9時 11分 追加)


お問い合わせ戴き、ありがとうございます。



別の方の御質問にもお答えしたように、難しいお問い合わせは分かりかねます。内部配線につきましては、「アンプが重いので御容赦下さい」と説明文で述べています。なお、各アンプは既に梱包済みです。



300Bのような大型の2A3には、フイラメント電圧は別にして、他の諸規格が在来の2A3より大きいものが有るようです。東欧の蛸入道の如き2A3が当てはまるかと思います。この場合は、下位規格の球を上位規格の球に差し替えるのは当然に要注意でしょう。



しかし本機の製作動機は、昔の2A3シングル電蓄に使った電源トランスの活用に有り、新忠篤氏の回路も通常規格の2A3を年頭に置いて有ります。そして本機は、上位規格の2A3を下位規格の2A3に差し替えたものです。従って本機のプレート電圧は、常識的な範囲での値に収まっている筈です。ちなみに、本機に使っているクラシックコンポーネンツの2A3は上位規格のもので無く、ガラス形状が大きいだけと思います。



(2022年 8月 13日 9時 54分 追加)




お問い合わせが有りましたので、追記致します。



新忠篤さんの記事ではトライアル・エレクトリック・プロダクツ238Aとなってましたので、その記憶で本機の説明文もトライアル238Aと書きました。しかし梱包済み段ボール箱を開梱して確認したところ、その型番は155Uとなっていました。記憶が定かでないのですが、製作時にトライアル社へ電話したところ、238Aは在庫がなく、この155Uを推奨されたのであったかと思います。



トライアル社のHPにはSTー155Uと掲載され、特注オリエントHiBiCコア材でオリジナルの受注生産品のようです。STー155Uの仕様は、1次がユニバーサル型で2.75K、5.5K、11Kが選択可能なシングルアウトプットと有ります。非常に高価であったことを覚えています。なお、トライアル238Aはトライアル社のHPに掲載されてないので、廃番なのかも知れません。



従いまして、一方の本機に搭載の出力トランスは、トライアル社の155Uと訂正致します。この155Uは、前記の通りユニバーサル型で、1次を2.75K、5.5K、11Kに選択可能なシングルアウトプットと思われます。