■太閤二十ヶ条・太閤三十ヶ条・隅田川往来(天保3年)稀書往来物
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】寛京書。
【年代等】天保3年書。
【備考】分類「往来物」。『太閤二十ヶ条・太閤三十ヶ条・隅田川往来』は、標記の3種を合本した手習本で、いずれも4行・無訓で記す。「太閤二十ヶ条」は、「太閤御掟二拾ヶ条」とも呼ばれ、「一、欲に離れよ」「一、大酒飲べからず」「一、朝寝すべからず」「一、女に心を赦すべからず」など20カ条を列記して、「右之条々可相嗜者也」と結ぶ教訓で、異本では末尾に、正直・堪忍・用捨・分別・思案を薬種に譬えて、これを毎日服すべしとする「御調合薬之事」と、無理・慮外・過言・無心・油断を戒めた「禁物之事」を付すものもある。また、「太閤三十ヶ条」は、「太閤御控三拾ヶ条」とも呼ばれ、「一、天道は偏に正直ニ而叶、非道ニ而仏神之加護なし」「一、無過者は如篭名城。有科者は身の置処なし」「一、福人とは大敵と思ふべし。必秘計口入すべからず」「一、大切と申は御公方地頭の御用、安堵と云は為納諸役事」以下30カ条を列記した後、「右三十ヶ条、一ッも不闕可相守者也。悪口と欲に離るゝ者ならば、内外共に住よかるべし」と結ぶ。多少の文言の出入りはあるが、江戸中期刊『〈新板絵紗〉太閤状』とほぼ同内容。また、末尾に「心だに誠の道に叶ひなば、祈らずとても神や守らん」などの教訓歌1首を置く場合もある。最後の「隅田川往来」は、流布本とほぼ同文で、梅柳山木母寺の梅若忌(旧暦三月一五日)に際して隅田川一帯を散策する計画を奨める一通の女文形式で、江戸・両国橋から亀戸天満宮・永代島八幡宮までの隅田川周辺の名所旧跡・神社仏閣を紹介した往来物。
★原装・状態概ね良好。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。