カシューナッツ シーサケット60-2

Anacardium occidentale ‘Sisaket 60-2’
タイで選抜されたカシューナッツ。赤いカシューアップルを実らせる認証品種。


店長のおすすめポイント
1. タイで選抜された、由来のはっきりしたカシューナッツ品種

シーサケット60-2は、単に「タイ産のカシューナッツ」というだけではありません。

タイのシーサケット園芸研究センターが多数の系統から選抜し、タイ農業局によって正式に認証された品種です。

高い収量、大きなナッツ、良好な品質などを目標に選抜されており、品種としての来歴がしっかり残されています。せっかく家庭でカシューナッツを育てるなら、こうした由来の分かる選抜品種を育ててみたいところです。


2. 美味しいカシューナッツが、自分の木になる!

スーパーなどでおなじみのカシューナッツが、実際に自分の木に実る姿は非常に面白いものです。

赤く膨らんだカシューアップルの先端に、勾玉のようなナッツが一粒ずつぶら下がります。

シーサケット60-2は高収量品種として選抜され、公式資料では平均ナッツ重量約7.2g、良質ナッツ率75%とされています。食べるだけでは分からない「カシューナッツという植物そのもの」を楽しめる果樹です。


3. 家庭果樹だからこそ食べたい、赤いカシューアップル

シーサケット60-2では、ナッツの上に赤色から濃赤色に色づくカシューアップルが形成されます。公式資料では果肉に甘味があるとされています。

カシューアップルは完熟すると非常に傷みやすく、日本では生の完熟果に出会う機会はほとんどありません。

自分の木で熟した果実を収穫して、その場で食べてみる。これは家庭果樹として育てるからこそできる体験です。


シーサケット60-2とは
シーサケット60-2は、カシューナッツAnacardium occidentaleのタイ選抜品種です。

カシューナッツそのものは南アメリカ原産ですが、現在ではアジア、アフリカ、中南米など世界各地の熱帯地域で重要なナッツ作物として栽培されています。

その中でもシーサケット60-2は、タイでカシューナッツの生産性と品質を高めることを目的として選抜された品種です。

高い収量と良質なナッツに加え、赤く色づくカシューアップルも大きな魅力です。

和名:カシューナッツ、カシュー
品種:シーサケット60-2
英名:Cashew
学名:Anacardium occidentale ‘Sisaket 60-2’
分類:ウルシ科 カシューナットノキ属
原産:南アメリカ
選抜地:タイ・シーサケット
樹形:常緑低木〜小高木

シーサケット園芸研究センターが選抜
シーサケット60-2には、品種としての詳しい記録が残されています。

この品種の旧系統名は「シーサケット5-10」。タイのシーサケット園芸研究センターで収集・栽培されていた多数のカシューナッツ系統の中から選抜されました。

当時の収集園では75系統、それぞれ30本、合計2,250本ものカシューナッツが栽培されており、その中から優良個体の選抜が行われました。

シーサケット60-2の元となった種子は、タイ南部ソンクラー県チャナ郡から導入された系統に由来します。

その後選抜と評価を経て、1987年7月20日にタイ農業局の認証品種となりました。

目標は「高収量・大粒・良質なナッツ」
シーサケット園芸研究センターでは、単に実を付ける個体を選んだわけではありません。

選抜では、高い収量、毎年安定して実を付けること、大きなナッツ、良好な仁の品質、良い樹形など、カシューナッツを生産するうえで重要な特徴が重視されました。

その選抜から生まれた認証品種のひとつが、シーサケット60-2です。

公式の品種資料では、高収量が特徴として挙げられ、平均ナッツ重量は約7.2g、良質なナッツの割合は75%とされています。

赤く色づく、甘いカシューアップル
シーサケット60-2を家庭果樹として育てるなら、ぜひ注目したいのがカシューアップルです。

公式資料では、カシューアップルはややずんぐりとした楕円形で、赤色から濃赤色系に色づきます。長さはおよそ4.4〜5.8cm程度と記録されています。

また、別の色調としてピンクを帯びた黄色系の果実も記録されており、こちらは長さ約4.6〜5.3cm。果肉は甘味を持つとされています。

一般的なカシューアップルには甘酸っぱさと独特の渋味がありますが、シーサケット60-2は品種資料でも果肉の甘さが特徴として記録されている点が面白いところです。


カシューナッツの不思議な果実
普段食べているカシューナッツが、木の上でどのように実っているか知っていますか?

カシューは、一般的な果樹とはかなり異なる不思議な実り方をする植物です。

実は、ナッツの方が「本当の果実」
カシューの実り方を初めて見ると、多くの方が驚くと思います。

赤く大きく膨らんだカシューアップルの先端に、灰緑色から褐色の勾玉状のナッツがひとつ付いています。

見た目では大きなカシューアップルが果実で、その下に種子がぶら下がっているように見えますが、植物学的には逆です。

先端に付く硬い殻を持った部分こそが本来の果実で、その内部にある仁が私たちの食べている「カシューナッツ」です。

一方、大きく膨らんだカシューアップルは、花の付け根の部分が肥大して形成された偽果です。

ひとつのカシューアップルに、ナッツはたった1個
ひとつのカシューアップルの先端に形成されるナッツは、基本的にひとつだけです。

普段は袋いっぱいに入ったカシューナッツを何気なく食べていますが、一粒一粒が、それぞれ一つの花から形成された別々の果実です。

実際に木に実っている姿を見ると、普段食べている一粒のナッツに対する見方まで変わってきます。

ナッツは腎臓形、赤褐色に成熟
シーサケット60-2のナッツは、カシューナッツらしい腎臓形をしています。

公式資料では成熟したナッツは赤褐色となり、1粒あたりの平均重量は約7g前後。品種認証時の特徴としては平均7.2gとされています。

後年の栽培試験でもシーサケット60-2は比較品種として使用されており、環境によって数値は変動するものの、大粒のナッツを形成する品種として継続的に評価されています。


ナッツとカシューアップル
カシューを育てる面白さは、ひとつの木から性質のまったく異なる「ナッツ」と「カシューアップル」の両方を収穫できることです。

殻の中には、あの美味しいカシューナッツ
硬い果皮の内部には、一粒の仁が入っています。これを適切に加工したものが、私たちが普段食べているカシューナッツです。

独特のコクと甘味、柔らかな歯ごたえがあり、そのまま食べるだけでなく、菓子、料理、ペーストなど世界各地で幅広く利用されています。

自分で育てた木から収穫したカシューナッツを見ると、市販されているナッツがどのように植物から生まれているのかを実感できます。

家庭で育てるなら、もうひとつの主役はカシューアップル
日本でカシューナッツを育てる面白さは、ナッツだけではありません。

カシューアップルは果汁が多く、完熟すると非常に傷みやすいため、長距離輸送には向きません。

このため、日本では加工されたカシューナッツは簡単に購入できても、生の完熟カシューアップルを食べる機会はほとんどありません。

木の上で十分に熟した赤いカシューアップルを収穫し、その場で食べる。これは、生産地を訪れるか、自分自身で木を育てるからこそ味わえる果実です。

特にシーサケット60-2は、カシューアップルの果肉に甘味があると品種資料に記録されています。ナッツだけでなく、ぜひ完熟果の味まで確かめてみたい品種です。


開花と結実
カシューは、熱帯果樹の中では比較的早い段階から開花・結実を目指せる植物です。

花から果実が成熟するまでの変化を観察できることも、実際に育てる大きな楽しみです。

開花から収穫までは約100〜110日
シーサケット60-2は、花が咲いてから収穫までの期間についても記録があります。

タイ農業局の品種資料では、開花からナッツを収穫できる状態になるまで約100〜110日とされています。

小さな花が受粉し、まずナッツ部分が発達し、その後カシューアップルが膨らみ、やがて鮮やかに色づいていく。

その約3か月あまりの変化を観察できることも、実際に木を育てる楽しみです。

早ければ数年で、開花・結実を目指せる
カシューナッツは、熱帯果樹の中では比較的早く結実を狙える植物です。

早生タイプでは植え付け後2〜3年ほどで開花や結実を始めるものがあり、一般的な実生樹でも3〜4年ほどから果実生産が始まることがあります。

実際の開花時期は苗の由来、樹齢、気温、日照、栄養状態などによって大きく変わりますが、数年後の開花・収穫を目標に育てられることは、カシューの大きな魅力です。


生のナッツの取り扱いについて
カシューナッツを収穫した際には、重要な注意点があります。

ナッツを包んでいる硬い殻には、皮膚を強く刺激する油状成分が含まれています。そのため、木から収穫したナッツの殻を素手で割り、そのまま中の仁を食べることはできません。

市販されているカシューナッツは、こうした刺激性成分の影響を避けるため、適切な加熱や加工工程を経ています。

家庭で収穫した場合も、ナッツ部分については安全な加工方法を十分に理解したうえで取り扱ってください。


栽培について
カシューは熱帯から亜熱帯の暖かい地域に適応した植物で、十分な日照を好みます。

シーサケット60-2はタイでは東北部や東部を中心に推奨され、特に開花・結実期に十分な水分を確保できる地域が適地とされています。

一方で、根が長期間水に浸かるような排水の悪い環境は避けます。水はけの良い用土を使用し、生育期にはしっかりと日光に当てて株を充実させます。

カシューは寒さや霜には弱い熱帯果樹です。そのため、日本で栽培する場合は冬季の低温対策が重要になります。

暖かい季節には十分な日照のもとでしっかり成長させ、寒くなる時期には温室や暖かい室内などで管理します。特に幼木のうちは低温の影響を受けやすいため、保温を意識して育てます。

タイで多数の系統から選抜され、1987年に認証されたシーサケット60-2。

美味しいカシューナッツを収穫するだけではなく、赤く熟した甘いカシューアップルまで味わう。その二つを目標に育てたい、由来のはっきりしたカシューナッツ品種です。


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