古代ギリシャ マケドニア王国 アレクサンドロス3世 ドラクマ 銀貨 NGC XF Strike5/5 Surface 4/5

コイン メイン画像

■見どころ
アレクサンドロス大王の名を刻んだドラクマ銀貨です。 打たれた街は、サルディス。 コインを集めておられる方ならこの地名でもうお分かりかもしれません。 貨幣発祥の地の一つとされる古代リディアの都です。

時代をいったん大きくさかのぼります。 紀元前7世紀の終わりごろ小アジアの西にリディアという王国がありました。 その首都がサルディスです。 この地域では金と銀の合金であるエレクトロンに印を打った 人類最初期の貨幣が作られました。 ヘロドトスは「リュディア人が最初に金銀の貨幣を鋳造した」と記しました。 最後の王の名はクロイソス。「クロイソスのように富める」という言い回しが 今も残っているほどの伝説的な富の持ち主です。

ですがリディアの繁栄は紀元前546年に終わります。 ペルシアのキュロス2世に敗れ国は併合されました。 以後サルディスはペルシアのリディア太守領の首府となり、 遠くスサまで伸びる「王の道」の西の終点として栄えます。 貨幣の黎明期を知る街は200年あまりペルシアの支配下にありました。

さて、ここからが本品の話です。 紀元前334年。 グラニコス川の戦いでペルシア軍を破ったアレクサンドロスが この街に迫ります。 ところが——戦闘は起こりませんでした。 太守ミトレネスが城門を開き都市と宝物庫を明け渡したのです。 アレクサンドロスは彼を罰するどころか厚遇しました。 サルディスにはペルシア支配期から王室造幣所がありました。 アレクサンドロスはその施設と職人、貴金属を接収し やがてこの地で自らの名を刻んだ貨幣を発行します。

本品の分類年代は紀元前334年から323年ごろ。 落札時のオークション目録では大王の生前期から没後最初期に位置づけられています。 そのため、確実な生前発行とまでは断定いたしません。 貨幣発祥の地の一つとされるリディアの都で 古代世界の国際通貨となったアレクサンドロス型の銀貨が打たれた。 クロイソスの都でアレクサンドロスの銀が打たれる。 手のひらに載るこの小さな金属にはそういう巡り合わせが畳み込まれています。

■デザイン
表面:獅子の毛皮をかぶったヘラクレスの右向き頭部。

裏面:玉座に腰かけたゼウス。右手に鷲をとまらせ左手に笏を持つ。 銘文「ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΥ」。

まず表面ですが、これはヘラクレスです。大王本人の肖像ではありません。 ここはよく取り違えられるためあらかじめ申し上げておきます。 かぶっているのはネメアの獅子——ヘラクレスが最初の難行で仕留めた 刃の通らない怪物の毛皮です。

ではなぜヘラクレスなのか。マケドニアの王家は自分たちをヘラクレスの 末裔だと称していました。つまりこれは「我が家の祖先」の顔なのです。 もっともその顔立ちに大王自身の面影を重ねたのだと見る研究者も 少なくありません。真偽は分かりませんがそう思って眺めると この横顔は少し違って見えてきます。

裏面のゼウスにも面白い出自があります。 玉座に座り鷲を手にとまらせたこの姿——もとはキリキアのタルソスという街で 崇拝されていた神、バアルタルスの図像を下敷きにしている という見方が有力なのです。 征服した側の主神が征服された土地の神の姿を借りている。 帝国の成り立ちがこの小さな銀貨の上に残っているように思います。

■商品スペック
発行年 紀元前336~323年※ラベル表記は在位期間です
発行国 マケドニア王国
額面 1ドラクマ
品位 / 素材 銀(AR)
重量 4.22g
直径 17mm
鑑定機関 NGC Ancients
グレード XF(Strike 5/5・Surface 4/5)
鑑定番号 8749057-006

■鑑定結果
NGC鑑定結果
NGC公式サイトの鑑定照会結果

真贋・鑑定について
本品は第三者鑑定機関NGC Ancientsが真正と判断し鑑定・封入したコインです。なお、NGC Ancientsの規定上、真正性・年代・帰属は保証の対象外で鑑定時点における専門家の見解となります。当店では、万が一贋作であることが確認された場合は速やかに返品・返金にて対応いたします。安心してご入札いただければ幸いです。

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