アレクサンドル・グラズノフ(1865-1936):
1-4. 4つの前奏曲とフーガ Op.101
5. 牧歌 Op.103
6-8. 2台ピアノのための幻想曲 Op.104


タチアナ・フラノヴァ(ピアノ)、シルビア・チャーポヴァー(6-8,ピアノ)

録音:1993年4月8-9日、5月23日、ブラチスラバ、スロヴァキア・フィル・コンサート・ホール

MARCO POLO【香港輸入盤】

ロシア・ロマン派を代表する作曲家アレクサンドル・グラズノフ(1865-1936)のピアノ作品を集めたアルバムです。交響曲やバレエ音楽で知られるグラズノフですが、ピアノ作品にも端正な構築性と豊かな旋律美が息づいています。本盤では「4つの前奏曲とフーガ」、「牧歌」、「2台ピアノのための幻想曲」を収録しています。 演奏するタチアナ・フラノヴァはスロバキア生まれの女性ピアニストで、ブラチスラヴァ音楽院で学んだ後にウィーン音楽アカデミーへ進みました。特にグラズノフの作品を積極的に取り上げたことで知られ、このアルバムはその第4巻にあたります。グラズノフのピアノ音楽をまとめて紹介した録音は決して多くないだけに、彼女の存在はこの作曲家の知られざる作品を聴くうえで重要です。
中でも圧倒的な存在感を放つのが「4つの前奏曲とフーガ」です。演奏時間が40分を超える大作であり、グラズノフのピアノ作品の中でも特に深遠で複雑な書法を備えた隠れた名作です。「4つの前奏曲とフーガ」はそれぞれ異なる性格を持ちながら、全体として大きな音楽的構築を形作っています。バッハ以来の対位法を思わせる緻密な書法を基盤に豊かな和声と息の長い旋律を組み合わせており、聴き進めるほどに作品の奥行きが感じられます。技巧的な難しさだけを前面に出すのではなく、重厚な構築の内部にロマンティックな情感が織り込まれているところも魅力です。
「牧歌」では一転して穏やかな表情が広がります。素朴な旋律と柔らかな和声が美しく結び付き、グラズノフの抒情的な側面を感じさせます。「2台ピアノのための幻想曲」も30分弱の聴き応えのある作品です。2台のピアノが対話しながら音楽を展開し、重厚な響きと繊細で美しい旋律が交錯します。フラノヴァとチャーポヴァーの息の合った演奏によって作品の豊かな響きと複雑な書法が鮮やかに浮かび上がります。グラズノフのピアノ音楽は、ラフマニノフのような劇的な華やかさとは異なる魅力を持っています。古典的な均衡感とロシア的な旋律美が自然に溶け合い、派手さの奥に確かな構築力があります。グラズノフの知られざるピアノ作品をじっくり味わえる貴重な1枚です。未開封新品です。