






【REMI RELIEF S506XX 大戦モデル 1st Type デニムジャケット/日本製/ヴィンテージ加工/XL/極美品】
デニムジャケットという服には、完成されすぎていないからこそ格好いい時代があります。
左右対称でもない。ポケットもひとつしかない。背中には今となってはほとんど必要のないベルトが付いている。現代の服として考えれば、もっと便利に、もっと合理的に作る方法はいくらでもあるはずです。
それでも約80年前のワークウェアを、世界中のブランドが現在も繰り返し作り続けている。
その原点のひとつが、LEVI’S 506XX――通称「1st」です。
今回出品するのは、その506XXの中でも特に異質な存在としてヴィンテージデニムの世界で語り継がれている、第二次世界大戦期のいわゆる「S506XX=大戦モデル」をモチーフに、REMI RELIEF(レミレリーフ)が独自の解釈で再構築したデニムジャケットです。
単純なヴィンテージレプリカではありません。
1940年代のアメリカで生まれた偶然のデザインを、岡山・児島のデニム生産背景と、日本独自の加工技術、そして現代的なファッション感覚によってもう一度作り直す。
この一着の面白さは、まさにそこにあると思います。
第二次世界大戦中のアメリカでは、戦争遂行のため大量の物資が必要となり、民間製品にも資材節約が求められました。衣料品も例外ではなく、それまで当たり前だった仕様の一部が省略・簡略化されていきます。
デニム好きが「大戦モデル」と呼ぶ服に見られる独特の簡素なディテールは、もともとファッションとして考案されたものではありません。
むしろ逆です。
余計なものを削る。使う金属を減らす。工程を簡略化する。
つまり、当時としては制約の中から生まれた服でした。
ところが80年以上の時間を経た現在、その不完全さが異様なほど格好いい。
均整の取れた工業製品とは違う荒々しさ、必要最低限の機能だけを残した潔さ、そして大量生産品でありながら個体差すら魅力になってしまう偶然性。
後世のデザイナーが机の上で考えた「ヴィンテージ風デザイン」では絶対に生まれない説得力があります。
そんな大戦期の506XXをモチーフにしたのが、このREMI RELIEFの一着です。
まずフロントを見れば、1stらしさは一目瞭然。
左胸にひとつだけ配置されたパッチポケット。
現在のデニムジャケットでは当たり前になった左右対称の胸ポケットではなく、片側だけにポケットを置く極めて原始的な構成です。
さらにフロントには506XXを象徴するプリーツ。
このプリーツも、現在となっては完全にデザインとして認識されていますが、もともとは身体の動きに対応するために生まれたワークウェアならではの構造です。
胸ポケット上部にはリベットが打たれ、ボタンには大戦期のワークウェアを連想させるクラシカルな月桂樹意匠。
そして後ろへ回れば、背中にはシンチバックが備わっています。
バックルによって身幅を調節するための古典的な機構で、現代の日常着として考えれば必須ではありません。しかし、この背中の一本があるだけでジャケット全体の時代感が一気に変わる。
506XX、そして古いワークウェアが好きな人間にとっては、どうしても惹かれてしまうディテールです。
ただし、このジャケットを面白くしているのは、そうした「何年モデルを再現した」「このパーツを再現した」という答え合わせだけではありません。
むしろ、そこから先がREMI RELIEFです。
REMI RELIEFは2008年春夏にスタートした日本のブランド。デザイナーの後藤豊氏が手掛け、岡山県・児島に自社工場を構えながら、素材、染色、縫製、そして加工を徹底的に追求してきました。
そして個人的にREMI RELIEFを面白いと思うのが、岡山・児島という日本を代表するデニム産地を背景に持ちながら、いわゆる「児島デニム」というカテゴリーだけでは括り切れないブランドであること。
児島には、生地や縫製、染色、旧式織機、ヴィンテージディテールなどを徹底的に掘り下げる優れたデニムブランドが数多く存在します。
その職人気質や再現性は日本のデニムカルチャーを世界的なものにした大きな理由のひとつだと思います。
一方で、その世界は良くも悪くも「デニムそのもの」が主役になりやすい。
オンス、生地、縫製糸、セルビッジ、縫製仕様、年代考証――そうした部分を深く掘り下げていく、かなりストイックなアメカジ/レプリカ文化でもあります。
REMI RELIEFは、同じ児島の技術背景を持ちながら、そこから少し違う方向を向いているように感じます。
ヴィンテージを研究すること自体がゴールではなく、その技術を使って最終的に「今着て格好いい服」を作る。
ここが非常に重要です。
ヴィンテージディテールをそのまま再現することだけを目的にせず、シルエット、加工、色の見え方、そして他の服と組み合わせたときの佇まいまで含めてファッションとして成立させる。
児島の職人的なデニム作りと、東京のセレクトショップやデザイナーズブランドにも自然に混ざる都会的な感覚。
その中間にいるような独特のポジションがREMI RELIEFにはあります。
だから、ゴリゴリのヴィンテージレプリカを全身で着るタイプではない人にも合わせやすい。
スウェット、白T、軍パン、チノ、スラックス、ワイドパンツ、スニーカー。あるいは少しモード寄りの服に、このジャケットだけを混ぜても成立する。
そこが、個人的には数ある児島を背景に持つデニムブランドの中でもREMI RELIEFがかなり洗練されて見える理由だと思っています。
そして、その考え方が最も分かりやすく表れているのが「加工」です。
写真を見ていただくと、このジャケットは一見すると何年も着込まれた古着のように見えると思います。
肩から胸へ落ちる色。
プリーツの山に沿って浮かび上がるアタリ。
ポケット周囲の擦れ。
袖に走る濃淡。
前立ての縫製部分に残った濃いインディゴと、そのすぐ横でブルーへ変化している部分。
袖口や襟にも長期間着用されたヴィンテージを思わせる表情があります。
しかし、ここは誤解のないようにはっきり記載しておきます。
こちらは実際に長期間着込まれてここまで色落ちしたものではありません。REMI RELIEFによって、あらかじめヴィンテージ感のある色落ち・アタリ・擦れ等の加工が施された製品です。実際の着用はほとんどなく、着用回数の少ない状態です。
写真に見られる強い濃淡や擦れ、褪色感などの多くは、この商品のデザイン・加工によるものです。
したがって「かなり着込まれている」「長年の着用によって激しく色落ちしている」という状態ではありませんので、その点はご安心ください。
逆に言えば、そこがREMI RELIEFの凄いところでもあります。
ただ全体を薬品で薄くして「ユーズド加工」にするのではなく、本当に人間が着続けた場合、どこが擦れ、どこにインディゴが残り、縫製部分の周囲がどう変化するのか。
その時間の積み重なりそのものを服の上に作ろうとしている。
REMI RELIEFの加工には、単なる「ダメージ加工」という言葉では説明しきれない面白さがあります。
特にこの個体は、まだ全体にかなり深いインディゴを残しているところがいい。
全部をサックスブルーまで落として古着らしく見せるのではなく、濃紺をベースにしながら、着用によって擦れるであろう場所を中心にブルーが浮き出している。
だから遠目では濃いデニムジャケットとして成立し、近くで見ると猛烈な情報量があります。
プリーツ周辺などは特に秀逸で、凹凸の山だけが明るくなり、その横には濃いインディゴが残る。
新品のデニムには絶対に存在しないコントラストですが、かといって何十年も前のヴィンテージを扱うような感覚で神経質になる必要もない。
「ヴィンテージの空気をまとった現代の服」
というREMI RELIEFらしさが非常によく出ていると思います。
そして、ここからさらに着込めるというのも面白いところです。
最初から完成されたようなヴィンテージ加工の上へ、今度は所有者自身の腕の動きや生活による本当のアタリが重なっていく。
数年後には、どこまでがブランドによる加工で、どこからが自分自身による色落ちなのか分からなくなる。
ヴィンテージ加工されたデニムの面白さは、実は「最初から完成していること」ではなく、人工的に作られた時間の上へ、本物の時間を重ねていけることなのかもしれません。
シルエットについても魅力があります。
こちらはXL。
平置き直線で、
肩幅:約49cm
身幅:約60cm
袖丈:約67cm
着丈:約63cm
となります。
※素人採寸ですので多少の誤差はご理解ください。
身幅約60cm、袖丈約67cmというしっかりとサイズのあるXLで、この手のデニムジャケットでは需要の高いサイズ感だと思います。
1stらしい比較的コンパクトな着丈の雰囲気を残しながら、身幅にはしっかり余裕がある。
ヴィンテージの506XXのように極端なジャストサイズで着るというより、Tシャツの上にはもちろん、スウェットやパーカーなどを中に入れてもコーディネートしやすいバランスです。
特に現在は、昔のアメカジのようにデニムジャケットをピタピタで着るというより、ある程度身幅を確保して少しゆったり羽織るスタイルが主流。
その意味でもXLというサイズは大きなポイントだと思います。
そして改めてこのジャケットを眺めると、非常に不思議な服です。
ルーツを辿れば1940年代のアメリカ。
戦争という特殊な時代背景から生まれた、物資節約のためのワークウェア。
それが80年以上の時間を経て「大戦モデル」と呼ばれ、世界中のヴィンテージコレクターが追いかける存在になった。
さらに海を渡った日本で研究され、日本有数のデニム産地である岡山・児島の技術を背景に、REMI RELIEFというブランドが現代のファッションとして再構築する。
そして、その服を今また普通の日常着として着る。
デニムという服が面白いのは、こういうところだと思います。
単なる復刻ではありません。
単なるヴィンテージ加工でもありません。
アメリカのワークウェア史、日本のデニム産業、ヴィンテージカルチャー、そして現代のファッションが一着の中で交差している。
ディテールだけを見れば非常にマニアックです。
1st、大戦モデル、片ポケット、プリーツ、リベット、シンチバック、月桂樹意匠のボタン。
ところが実際に着てみれば、「大戦モデルを再現しています」という蘊蓄だけが前に出る服ではなく、純粋に雰囲気のいいデニムジャケットとして成立している。
マニアックなのに、マニアックに見えすぎない。
個人的には、それこそREMI RELIEFのセンスだと思います。
ヴィンテージLEVI’Sがお好きな方はもちろん、WAREHOUSE、FULLCOUNT、SUGAR CANE、TCB、旧DENIME、EVISU、THE REAL McCOY’Sなど、日本のレプリカデニム文化がお好きな方にもぜひ見ていただきたい一着です。
その一方で、「レプリカブランドを全身で着るほどではないけれど、古いデニムの雰囲気は好き」という方にもおすすめできます。
児島の技術力を持ちながら、児島という枠だけには収まらない。
ヴィンテージを知り尽くしながら、ヴィンテージそのものになろうとはしない。
REMI RELIEFというブランドの面白さが非常によく表れた、大戦モデルモチーフの1st Typeデニムジャケットだと思います。
実際の着用はほとんどなく、ヴィンテージ加工によって最初から非常に完成度の高い表情を持った一着です。加工品の特性をご理解いただいたうえで、写真にて状態をご確認ください。
サイズXL。
大きめの個体を探されていた方にもぜひ。
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(2026年 9月 24日 1時 13分 追加)VH-188