パーカーポイント: 99点 マルゴーAOCの中で唯一の格付け第一級として君臨するのが「シャトー・マルゴー」。数値として分析できる総酸量とは異なり、味覚的に感じるそのフレッシュさ、他のシャトーとは異なる際立った鮮度感や柔和さは酸に由来します。マルゴーのみが持つといわれる特有のタンニンの化学構造の差もあり、その滑らかで香り高い華やかな特徴が凛として華開きます。 表面上の流麗な質感と華やかに反し、その内面は屈強かつ強靭な骨格を有しています。滑らかでいながらも硬質で堅牢なその姿は、相反する要素の類い稀なる一体感を表現する言葉として「ベルベットの手袋の中の鋼鉄の拳」とも呼ばれます。 シャトー・マルゴーの復活は、1977年にメンツェロプロス家がシャトーを買収したことから始まります。さらに1983年の総支配人就任以来、シャトー・マルゴーの品質をひたすら高めた人物としてもっとも有名なのが故ポール・ポンタリエ氏。彼の功績もあり、80年代に造られたすべてのボルドーワインよりも優れた品質を誇るとまで言われました。 2016ヴィンテージは、香りは非常に繊細で、複雑性と奥行きがあります。味わいはボリューム感と甘みがあり、特に余韻の長さは驚くほどです。そしてもちろん、偉大な区画のカベルネ・ソーヴィニヨンがワインにこの上ない優雅さをもたらします。カベルネ・ソーヴィニヨンはブレンドの約94%を占めています。メルロとカベルネ・フランは、それぞれ2%と3%の割合であり、豊かな芳香とともにタンニンの構成に滑らかさがあり、大いなる複雑性を与えてくれます。最後にプティ・ヴェルドは、わずかな割合であるにもかかわらず(ブレンドの1%)、ボリューム感と際立つ濃厚さをもたらしてくれます。 夏は乾燥し、日差しの多い気候であったものの、このヴィンテージは、素晴らしい長期熟成の元となる酸のポテンシャルも十分保っています。シャトー・マルゴー2016年は、例外的な気象条件の組み合わせによるブドウで、熟知したテロワールから生まれ、とりわけ厳選された(収穫の28%)極上のワインとなりました。 収穫されたうちの28%しかファーストラベルに使用されない。 テイスティングノート 中位の深みのある濃いブラックルビー色。魅力的、繊細で、芳醇なノーズを持ち、ブラックベリー、ラズベリー、タバコの葉、ミネラルの魅力的なニュアンスを持つ。ミディアムボディ、程よい重さと濃縮度を持ち、際立った果実味を示す。フルーツのしっかりとした核とフレッシュな酸味を持ち、全体的に非常にきれいなバランスを示す。がっしりとしているが、滑らかでエレガントなワインは極めて若いにも関わらず印象的な余韻の長い後味を持ち、非常に大きな熟成ポテンシャルを持つ。 葡萄品種 メルロー 2%, カベルネ・ソーヴィニヨン 94%, カベルネ・フラン 3%, プティ・ヴェルド 1% |