文庫です。 多少のヨゴレはあります。

一気読みで徹夜必至。歴史がこんなに面白いなんて! これが一番「わかる」世界史・新定番。
「全世界史」という言葉はちょっと聞き慣れないかもしれません。普通、歴史は東洋史とか西洋史という形で勉強しますし、書店でもそのように棚が作られています。しかし、世界は本当に東洋と西洋に分かれているのでしょうか? 本書にはそういう予断をいとも簡単に反証してしまう例が満載されています。たとえば紀元前三百年頃のアショーカ王時代のインドには、遠くギリシャから通商使節が訪れていますし、紀元千年の宋の都、開封にはユダヤ人街があったそうです。インドにギリシャ人、中国にユダヤ人と聞くだけで、歴史ファンとしてはワクワクするような話です。

本書は、出口治明さんが2017年末に会長職から退任したライフネット生命を起業する前に草稿を書き終えていたそうですので、構想から数えれば10年、まさにライフワークというべき作品です(当初は「小説5000年史」というタイトルだったそうです)。

下巻のカバーを飾るのはフランスの画家ウジェーヌ・ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」。1830年に起きた七月革命をモチーフにしたドラクロワの代表作のひとつです。「自由の女神」といえばニューヨークのものを思い浮かべますが、アメリカの独立から百周年を記念し、フランス人の募金によって贈呈されたものです。フランスは革命とか独立という思想を輸出しようとしたのです。