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385ページ 昭和63年--平成元年1989年 8版 ハードカバー 当時定価1300円 (文庫廉価版ではありません)

売られた喧嘩は全て買う。腕力で負けても気力で勝つ。そんな少年だった。レコードセールス、観客動員数ともにロック界屈指の人気と実力を誇る浜田省吾が全てを語る。綿密な取材をもとに描くサクセスストーリー。
浜田省吾がよくわかる。知らなかった浜省の生い立ちから成長を知る事もできる。そして どんな思いで曲が書かれたかを知り、彼の自伝的歌詞の背景がわかり、より名曲と感じることができる1冊。

浜田省吾の誕生から少年時代、アマチュア時代、そして1987年のアルバム『FATHER'S SON』までの"成長の物語"を、音楽ライター/田家 秀樹氏により著書してあり、発売当時はベストセラーにもなっている。
本作の幕開けは、当時の"J・BOY" ON THE ROADツアーからの様子からが書されており、この一冊から抜粋をしてみる。
『オレたちって、悲しんだり、怒ったりしながらでも生きている。生まれてきて、生きている事っていうのは、それだけで幸せな事なんだと思ったりする……
帯広のコンサートの夜、彼(浜田省吾)は一睡もできなかった。ホテルで、朝までまんじりともしなかった。
帯広のコンサートの客席に、高校生らしい男の子の遺影を持った二人の男女がいた。コンサート終了後、楽屋を訪れた二人連れは、自分の息子が、彼のテープをエンドレスにしてかけっ放しにしたまま自殺した事を告げた。
息子が楽しみにしていた浜田さんのコンサートを見せてあげたくて夫婦で来ました…と話してくれた。
自分の音楽を聴きながら自殺した、ということが辛かった。それこそ“悩みを抱いたまま踊らせる”のが自分の音楽だと思っていた。
もし、自分の音楽の中に、人を死に追いやるような何かがあるとしたら、自分の音楽が、自分で許せないような気がしたのだった。そう思っているうちに朝になった…。』
まさに浜省のこの時の辛さが分かる反面、一人のアーティストして、一人の人間としても、個人的には強烈に彼の人柄や人間味が胸に突き刺さり、その心情が伝わってくる文面である。
彼のプロデビュー不遇の時代や、浜田省吾と言う一人の少年が80年代にロックアーティストとして成功するまでの長い道のりとそのサクセスストーリーを、まるで青春映画の様に書されており、省吾ファンには必読な作品である事は間違いないだろう…

省吾さんのインタビューでの言葉がいくつか載っており、そこだけでも魅力的な人柄が存分に伝わってくる。この記録が読めて本当に有り難い。