| 清時代、道光の粉彩人物花卉文の八方杯一対です。口部から胴にかけて八面に面取りした器形とし、下部を小さな円形高台で受ける端正な姿に仕立てています。
白磁の各面を画面として用い、粉彩による人物図と花卉文を交互に配しています。人物は朱、藍、黄、緑などの彩色を使い分け、顔貌や衣服、手にする持物まで細かく描写されています。人物の傍らには「唐監軍」「張果老」などの題字が添えられ、図像と文字を組み合わせた構成となっています。
花卉文の区画には、朱彩による連環状の枠を設け、その内側に黄花・紅花と緑葉を描いています。人物図、題字、花卉文を八面の器形に合わせて切り替えることで、小品ながら変化に富んだ装飾となっています。
張果老は中国で広く知られる八仙の一人で、人物画や陶磁器意匠では独特の持物や姿によって表されてきました。道光年間の粉彩磁器にも八仙を題材とした作例が知られ、人物とその名称を組み合わせる装飾は本品を読み解く上でも重要な要素です。
底部には両器とも朱彩による篆書体の「大清道光年製」六字款が配されています。二客は器形、寸法、人物・花卉を組み合わせた装飾構成を揃えており、一対として伝わった品です。 |