

ケルビーニ 歌劇 メデア 未開封 カラス ヴィッカース ベルガンサ ザッカリア 1958.11.6 レッシーニョ ダラス ガラ盤 メディア 付録 フィレンツェ 1953 グイ バルビエリ
カラスのメデアです。先ずもって…アンディ ウォーホルばりのジャケットがなんともステキです。このデザイン この色合に負けない存在感が何とも見事で、素材の強烈さが “芸術”の更に上を行っている感じ。この装丁だけでも “二重丸” だと思います。
1958年のダラスの舞台。直後のロンドンとほぼ同じメンバーによる公演で、出来もほとんど同じ 録音状態もほぼ同じだと言われている記録です。見分け方としてはせいぜい“ネリス”役の違いくらいかも…こちらがベルガンサで ロンドンはコッソットです。コッソットが特有の硬質の声で すでに極上の歌を聴かせ “あゝ さすがはコッソットだなぁ…”と思わせるのに対して、ベルガンサはそれ程に個性的ではなく せいぜい “筋の良い若手” 程度の出来に留まって居るのが印象に残ります。すでに “ロッシーニ歌い” “モーツァルト歌い” としての進路は決まっていたはずなので、敢えて余り踏ん張らずに…これも理に適った成果なのだと納得がいきます。
カラスの出来は リコルディのスタジオ盤と同じくらいで、以前の “挑みかかる様な熱気” から “整理された表現” への変化が見られ、いわゆる “完成期” の充実感が伝わります。この頃から オペラは激減して 大半がリサイタルに、場所もスカラ座中心から 全世界へと広がり、いわゆる“ターニングポイント”だった事が分かります。 “ローマの大騒動” “オナシス出現” などが原因とも言われていますが、ロンドン リスボンの “椿姫” の名演が証明する通り、すでに“そんな時期” に差しかかっていた事も充分に察しられます。
余白には 1953年のフィレンツェの録音が併録されています。この時がカラスの初役だったはずで、それこそ “火の玉” の様な表現が確認できて 本編 57年とのコントラストも鮮やかです。トータル30分ほどで 聴き所は充分に押さえていて、付録とは言え周到だと思います。
カラスの場合は… “充分な音”とは言えないまでも…折々の記録があらかた残されている事がありがたく、まさに “僥倖” だと言えましょう。
最近 パゾリーニの “女王メディア” のリマスタ版を見ましたが、改めて 結構な出来だと思いました。あんなお芝居の あんな造りの映画で あの役を演れるのは、カラス以外には居ない事を再確認。更には… パゾリーニとカラスの関係に迫ったドキュメントも感動的で、数多ある“カラス本”のどれよりもカラスの人間性に肉薄して アッパレだと思いました。
あんなに出回っていた ガラ盤やMYTO盤が、近頃 なぜか品薄気味に感じられます。何でも製品化していてありがたかったですし、粗い音ながら小細工がなく “海賊”っぽくて模範的でした。
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