パット・マルティーノ参加
エリック・アレキサンダー
Eric Alexander (CD)/ The Real Thing  
HighNote Records, Inc. HCD 7278
2015年録音
2015年リリース

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エリック・アレキサンダー(Eric Alexander)のアルバム『The Real Thing』の内容、参加者、特徴、収録曲について詳しく解説します。  

 アルバム内容  本作は、現代ハード・バップ最高峰のテナー・サックス奏者エリック・アレキサンダーが、アメリカのジャズ・レーベル「HighNote Records」から2015年に発表したリーダー・アルバムです。2015年4月2日、ニュージャージー州エングルウッド・クリフスにあるジャズ界の聖地「ヴァン・ゲルダー・スタジオ」にて録音されました。タイトル通り、小細工なしの「本物(The Real Thing)」のストレート・アヘッド・ジャズが詰まった傑作です。  

 参加ミュージシャン(パーソネル)  エリックが長年全幅の信頼を置くレギュラー・トリオに加え、ジャズ・ギター界の伝説的巨匠がスペシャル・ゲストとして参加しています。 Eric Alexander:テナー・サックス、プロデューサー Harold Mabern(ハロルド・メイバーン):ピアノ John Webber(ジョン・ウェーバー):ベース Joe Farnsworth(ジョー・ファーンズワース):ドラムス Pat Martino(パット・マルティーノ):ギター 【スペシャル・ゲスト】 ※トラック2, 3, 8に参加  【レコーディング・エンジニア】  Rudy Van Gelder(ルディ・ヴァン・ゲルダー):録音、ミックス、マスタリング ジャズ界で最も有名な伝説の音響エンジニア。彼が最晩年に手がけた貴重な録音の一つでもあります。   作品の特徴  1. 最強のレギュラー・トリオ+巨匠パット・マルティーノの競演 エリックの精神的支柱であり師でもある巨匠ハロルド・メイバーン(P)をはじめ、不動のリズムセクションが極上のグルーヴを生み出しています。さらに、超絶技巧と独自のダークなトーンで知られる天才ギタリスト、パット・マルティーノが3曲でゲスト参加。マルティーノのシャープなギターとエリックの豪快なテナーによる、火花を散らすようなスリリングな掛け合いが最大の聴きどころです。 2. 伝説の「ヴァン・ゲルダー・サウンド」 ブルーノートやプレスティッジなどの名盤を数多く手がけたルディ・ヴァン・ゲルダーが録音を担当。サックスの骨太な音圧、ピアノの芯のある響き、ドラムのシンバルの抜け感など、往年のモダンジャズ・ファンを唸らせる極上のスタジオ・サウンドに仕上がっています。 3. バラエティ豊かな選曲と圧倒的な「直球勝負」 ボサノヴァ、ソウルフルなナンバー、激しいハード・バップ、コルトレーンへのオマージュ曲など、多彩なスタイルを取り入れつつも、全編を通して「ストレート・アヘッド(王道ジャズ)」の直球勝負で挑んでいます。  

 収録曲(トラックリスト)   曲番 曲名 作曲者 タイム 補足・特徴 1 The Real Thing R. Caldwell, J. George 6:23 AORの傑作として知られるボビー・コールドウェルの名曲「風のシルエット(What You Won't Do for Love)」のジャズ・カバー。ソウルフルなグルーヴが心地よいオープニングです。 2 Pure Pat Joe Farnsworth 6:40 【パット・マルティーノ参加】 ドラムのジョー・ファーンズワースが、マルティーノに敬意を表して作曲したハード・バップ・ナンバー。マルティーノの超絶マシンガン・ピッキングが炸裂します。 3 Summertime G. Gershwin, I. Gershwin, D. Heyward 6:43 【パット・マルティーノ参加】 ジャズ・スタンダードの超有名曲。マルティーノのダークなソロと、それに触発されたエリックの熱いブロウが絡み合うスリリングな名演です。 4 The Night Has A Thousand Eyes J. Brainin, B. Bernier 9:56 「夜は千の目を持つ」として知られるスタンダード曲。アルバム最長の10分弱におよぶ演奏で、ワンホーン・カルテットとしてエリックの圧倒的なアドリブ・テクニックを堪能できます。 5 Little Boat R. Menescal, R. Boscoli 5:57 ボサノヴァの名曲「O Barquinho(小舟)」。エリックが軽快かつエレガントに、瑞々しいラテン・リズムに乗せてテナーを歌わせています。 6 For George And Trane Eric Alexander 5:50 エリックによるオリジナル曲。ジャズ界の偉大な先人であるジョージ・コールマンとジョン・コルトレーンへ捧げたオマージュで、モーダルで力強い演奏が特徴です。 7 Sleep Warm L. Spence, A. Bergman, M. Bergman 6:15 フランク・シナトラの歌唱などでも知られる優美なバラード。エリックの包容力のある、温かく太いトーンが胸に染みる演奏です。 8 The Chief Harold Mabern 5:59 【パット・マルティーノ参加】 ピアニストのハロルド・メイバーンが、かつて共演した偉大なサックス奏者ジョン・コルトレーン(ニックネームが “The Chief”)に捧げて作ったモーダルな名曲。重量感のある熱い演奏でアルバムを締めくくります。  1997年の『Man With A Horn』から18年が経ち、エリックがさらに成熟した姿を見せる2015年の傑作です。 ゲスト参加しているパット・マルティーノの超絶ギタースタイルや、ピアノのハロルド・メイバーンによる重厚なバッキングなど、特に深く掘り下げて聴いてみたいポイントはありますか? パーソナライズなしで試す  ゲスト参加しているパット・マルティーノの超絶ギタースタイルや、ピアノのハロルド・メイバーンによる重厚なバッキングなど、特に深く掘り下げて聴いてみたいポイントをより具体的に教えて下さい。  本作『The Real Thing』における最大の聴きどころである、パット・マルティーノのギタースタイルと、ハロルド・メイバーンのバッキング(伴奏)について、よりマニアックかつ具体的に深掘りします。 お二人の特徴と、それがどの楽曲でどのように発揮されているかの注目ポイントは以下の通りです。  
パット・マルティーノの「超絶ギタースタイル」を聴く  パット・マルティーノ(19442021)は、1980年代に脳動脈瘤の手術によって記憶とギターの技術を完全に失いながら、自身の過去のレコードを聴き直して奇跡のカムバックを果たしたという伝説を持つギタリストです。 本作(録音当時70歳)でも、衰えを知らない独自のスタイルが炸裂しています。 注目ポイント①:切れ目のない「マシンガン・ピッキング」と16分音符の奔流 マルティーノの真骨頂は、音を濁らせずに1音1音を正確に弾き切る、圧倒的にタイトなピッキング(フル・ピッキング)です。 ここに注目!『Pure Pat』(トラック2) ジョー・ファーンズワース(Dr)がマルティーノのために書いたこのアップテンポの曲では、彼の代名詞である息の長い16分音符のフレーズが、機関銃のように途切れなく溢れ出します。 スピード感があるのにどこかクールで冷静な、マルティーノにしか出せないスリリングなスピード感を堪能できます。 注目ポイント②:ダークで太い「唯一無二のトーン」 高音を極力削り、中低音を強調した重厚でダークなギターの音色(トーン)も彼の特徴です。 ここに注目!『Summertime』(トラック3) 誰もが知る名曲ですが、マルティーノの奏でるダークな音色によって、夜の闇のように深く、ミステリアスな雰囲気が楽曲全体に漂います。彼がソロに入った瞬間、空気がガラリと変わる瞬間は鳥肌モノです。  
 ハロルド・メイバーンの「重厚なバッキング」を聴く  ハロルド・メイバーン(19362019)は、エリック・アレキサンダーの大学時代の恩師であり、生涯のメンター(師匠)です。 彼のピアノは、小手先のテクニックではなく、地響きのような圧倒的なパワーと、ゴスペルやブルースに根ざしたアーシー(泥臭く力強い)な響きが特徴です。 注目ポイント①:左手で刻む「重量級の低音ブロックコード」 メイバーンは伴奏(コンピング)の際、左手で非常に分厚い和音(ブロックコード)を叩きつけ、バンド全体を強烈にプッシュします。 ここに注目!『The Chief』(トラック8) ジョン・コルトレーンに捧げられたこのモーダルな楽曲では、メイバーンの重戦車のような左手のバッキングが、エリックのサックスやマルティーノのギターを限界まで煽り立てます。この巨大な壁のようなバッキングがあるからこそ、フロント奏者は安心して手数の多いソロを吹き狂うことができます。 注目ポイント②:ブルースの魂が炸裂する、主役を引き立てる「合いの手」 ただ伴奏するだけでなく、テナーサックスのフレーズの合間に、絶妙なタイミングでソウルフルな「合いの手(レスポンス)」を入れます。 ここに注目!『The Real Thing』(トラック1) ボビー・コールドウェルのR&B/ソウル名曲をカバーしたこの曲では、メイバーンのジャズ・ブルース仕込みのコードワークが曲に粘り気のある極上のグルーヴ(ソウル・ジャズ風味)を与えています。エリックが気持ちよくブローできるよう、完璧なタイミングで背中を押す職人技が見事です。  
 2人が融合した時の化学反応  特に8曲目の『The Chief』は、作・編曲がハロルド・メイバーンで、ゲストにパット・マルティーノを迎えた、アルバムのクライマックスです。 ここでは、メイバーンが構築する「重厚でスピリチュアルな土台(モーダル・ジャズ)」の上を、マルティーノの「冷徹なまでに正確なギター」と、エリックの「エネルギッシュなサックス」が交錯します。ベテランの重みと現代の最高峰テクニックが完全に噛み合った、まさに「本物のジャズ(The Real Thing)」の凄みを実感できるポイントです。 パット・マルティーノやハロルド・メイバーンは、それぞれ自身がリーダーを務めた名盤も数多く残しています。もしご興味があれば、この2人がより主役として活躍している彼ら自身の代表作(アルバム)をご紹介することもできますが、いかがでしょうか?  この2人がより主役として活躍している彼ら自身の代表作(アルバム)をご紹介してください!  エリック・アレキサンダーの演奏を極限まで引き立てた2人の巨匠、パット・マルティーノとハロルド・メイバーン。彼らが主役(リーダー)としてその圧倒的な個性を放っている、絶対に聴くべき代表作(アルバム)を厳選してご紹介します!  
 パット・マルティーノ(Guitar)の代表作   1. 『El Hombre』 (1967年) 〜 衝撃のデビューを飾ったコテコテのソウル・ジャズ  パット・マルティーノがわずか22歳でジャズ界の名門Prestigeレーベルから発表した記念すべきデビュー・アルバムです。 聴きどころ:『The Real Thing』で見せたダークなスタイルとは一味違う、若さ弾けるファンキーでソウルフルなギタープレイが魅力です。ハモンドオルガンとパーカッションを従え、ラテン調の小気味良いリズムの上を、初期マルティーノならではの極太でスピーディーなフレーズがこれでもかと駆け巡ります。ジャズギター史にその名を生んだ原点です。  2. 『Live!』 (1972年) 〜 伝説のマシンガン・ピッキングが頂点に達した熱狂ライブ  ニューヨークのクラブでの名演を収めた、パット・マルティーノのライブ盤最高傑作として名高い1枚です。 聴きどころ:ポップスの名曲「サニー(Sunny)」のジャズ・カバーを収録。ここで聴けるマルティーノのソロはまさに圧巻。息をのむような超高速の16分音符が、何分間にもわたって一瞬の狂いもなく繰り出される様は「マシンガン」そのものです。この一曲を聴くだけでも彼の超絶的なギター・スタイルの凄みが骨の髄まで理解できます。  
 ハロルド・メイバーン(Piano)の代表作   1. 『Fantasy』 / ハロルド・メイバーン・トリオ (2007年) 〜 “メイバーン節” 全開の重量級ピアノトリオ傑作  彼が得意とする「重量級の左手バッキング」とブルースの魂を、ピアノ・トリオという最もシンプルな編成で100%味わい尽くせる大ヒット作です。 聴きどころ:アース・ウィンド&ファイアーのディスコ名曲「宇宙のファンタジー(Fantasy)」や、リー・モーガンの「ザ・サイドワインダー」を大胆にジャズ・カバー。地響きがするような地を這うような重低音ブロックコードと、ゴスペル仕込みの泥臭くも圧倒的にスウィングするピアニズムが炸裂しており、とにかく理屈抜きで身体が乗ってしまう快作です。  2. 『First Milestone』 (2000年) 〜 エリック・アレキサンダーも恩返し参加した熱い師弟競演盤  メイバーンがリーダーとなり、彼の“愛弟子”であるエリック・アレキサンダーをフロントに迎えて制作された強力なハード・バップ・アルバムです。 聴きどころ:『The Real Thing』からさらに15年ほど遡る本作では、師匠メイバーンの豪快なピアノに煽られ、若き日のエリックが一段とアグレッシブに、情熱的なブロウを連発しています。お互いの手の内を知り尽くした「師弟ならではの極上の阿吽の呼吸」がたっぷり詰まった名盤です。  

 おすすめの聴き方  パット・マルティーノの「正確無比なスピード感」にシビれたいなら  『Live!』 ハロルド・メイバーンの「重戦車のような分厚いノリ」に浸りたいなら 『Fantasy』 どちらも『The Real Thing』での彼らのプレイをさらに何倍も濃密にした世界が広がっています。Eric Alexander The Real Thing Eric Alexander - The Real Thing  HighNote Records, Inc. HCD 7278


(2026年 10月 15日 23時 43分 追加)





Eric Alexander The Real Thing

レーベル:

HighNote Records, Inc. HCD 7278

フォーマット:

CD, Album

国:

US

リリース済み:

2015年

ジャンル:

Jazz

スタイル:

Post Bop
1The Real Thing6:23
2Pure Pat6:40
3Summertime6:43
4The Night Has A Thousand Eyes9:56
5Little Boat5:57
6For George And Trane5:50
7Sleep Warm6:15
8The Chief5:59
Recorded at Van Gelder Recording Studio, Englewood Cliffs, NJ on April 2, 2015
  • バーコード: 6 32375 72782 6