■女今川宝箱(嘉永元年)
【判型】大本1冊。縦252粍。
【作者】沢田吉作(元禄板系統)。西川竜章堂書。森川保之画。
【年代等】天保8年9月再刊。嘉永元年6月再刻。[京都]丁子屋源治郎板。
【備考】分類「往来物」。『女今川』は全23カ条と後文から成る壁書形式の教訓で、底本は元禄板系統の一種。これは、貞享4年刊『女今川』を改編したもの(元禄板の序文に「此比有人の書し『女今川』をみるに…」とあり、「然るに、今また改かふる事は、全我言をよしとするにあらず。自かたましき所をひそかにしるして…」とある)で、本文各条は貞享板と同傾向ながら、後文については改編が著しく、具体的には「心かだまし」と「心すなほ」の強調が目立つ。本書を自戒の書として書いた吉の理想は、「かだまし」き点のない、「すなほ」な心延えの女性だったのであろう。また、第5条では「主・親の深き恩」を「父母の深き恩」と言い換え、「忠孝」の代わりに「孝の道」とした点、さらに後文で、天地の道や五常を説いた抽象的な表現や、下僕や他人に対する心得などを割愛する一方、孝・貞の見地から己の心の善悪を内省することを説いた点に特色がある。なお、底本には、頭書に女性心得や女性礼法を挿絵とともに掲げるほか、「女教訓鑑」「食物くひ合せの事」「毒けし」「万くすりの方」「あらひ粉の方」「時のかねの事」「うけを知るうた」「むけを知るうた」「しらがを黒くする方」「色を白くする方」「燕脂の始りの事」「乳を吟味すべき事、付乳の出ざるに用ゆ薬」「幼児の足かゞむ事」「しろ酒造りやう」「酢のつくりやう」「大根あさづゆの方」「父母に孝行の事」、巻末に「陰陽之図・十干十二支」を掲げる。
★原装・題簽付・概ね美本。