




■農民身修記[農民身脩記](弘化4年)
【判型】枡形本1冊。縦191粍。
【作者】豊栄亭富益作・書。
【年代等】弘化4年1月書。
【備考】分類「教訓」。全冊袋綴じ展開収録した。『農民身修記[農民身脩記]』は、「近習の信友、身を修めん事を問う」のに対して、百姓のあり方や生活心得などを述べた小冊子。巻頭に「家業を怠らず」「吝奢なく達す」「身を高ぶらず」「直に任て憂怒せず」「人の言を聞く」など5カ条を掲げる。「身を修めん事」を問われた24歳の著者が、自分はまだ「道の大矩(オオガネ・タイク)」について覚束無いので、別人にお尋ねくださいといったんは固辞したが、「道を尋ぬるに憚る事のあらん」という友の深切にもだしがたく披瀝したのがこの5カ条であった。さらに、その解説を求められたため、聖人が天の道に従って明らかにした人の道は、五倫の道と、仁義礼智信の五常の道を心懸けることにほかならないと述べ、以下、天の道を「春夏秋冬」の四時別に人の道のあらましを説く。例えば、天の道で春は「元」、人の道では「仁」といい、これに沿った生き方として、「御上仁政の御徳を戴き、其御報恩に稼で貢を納るのみにあらず、御触に従ひ、其家に生れて其外の行を好申ず、『孝は身体借用の返済』とねてもさめてもわすれず、働に油断なくば長久の基と存…」云々の如く丁寧に解説する。
★原装・題簽付・状態概ね良好。他に所蔵無し(国文学研究資料館DB)。