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『すばる』2021年3月号。ブルーノ・シュルツの未発表短編、大江健三郎を読む文芸漫談、現代作家の小説を収録した注目号です。写真の表紙と公式目次を照合しています。

最大の見どころは、ポーランド文学を代表する作家ブルーノ・シュルツが「マルツェリ・ヴェロン」の筆名で発表した短編「ウンドゥラ」。長く知られていなかった初期作品を、加藤有子の翻訳・解説で掲載しています。シュルツ文学の原点を探るうえでも貴重な一篇です。

奥泉光といとうせいこうによる文芸漫談では、大江健三郎の初期代表作『芽むしり仔撃ち』を精読。疫病によって封鎖された村に取り残された少年たちを描く小説を通して、共同体、暴力、自由、排除などの問題を語り合います。

小説は、水原涼「焚火」と、高瀬隼子「水たまりで息をする」を掲載。高瀬作品は、日常生活に生じた小さな違和感から、夫婦の関係が次第に揺らいでいく様子を描いた作品です。

連載は、宮本輝「よき時を思う」、奥泉光「虚史のリズム」、桐野夏生「燕は戻ってこない」、恩田陸「鈍色幻視行」、池澤夏樹「風がページを」、花村萬月「ハイドロサルファイト・コンク」、高橋源一郎、松田青子、杉田俊介ほか。

宮内悠介「こんなことしてていいのか日記」第3回、演劇・美術・映画・書評を扱う「プレイヤード」も収録しています。ブルーノ・シュルツ、大江健三郎、現代日本文学を一冊で楽しめる、海外文学ファンにもおすすめの号です。

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