ジャコモ・ゴティフレード・フェッラーリ(1763-1842):
1-3. チェンバロまたはピアノとフルートの伴奏のためのソナタ ト長調 Op.32 No.3
4-12. フォルテとフルートのオブリガートのための3つのお気に入りのソナタ Op.33
第1番 ニ長調,第2番 ト長調,第3番 ハ長調
マリオ・ラッキーニ(フラウト・トラヴェルソ)
使用楽器:1994年、ルドルフ・トゥッツ製(モデル:1780年頃、アウグスト・グレンザー製)
キアラ・ニコラ(卓上フォルテピアノ)
使用楽器:1799年頃、ライリー製(イングリッシュ・メカニック)(+)
LIRA CLASSICA[MAP] 【イタリア輸入盤】
18世紀末から19世紀前半にかけて活躍したイタリアの作曲家ジャコモ・ゴティフレード・フェッラーリ(1763-1842)のフルート・ソナタ。日本ではほとんど紹介されることのない作曲家だけに、こうした作品をまとめて聴くことのできる本盤は、古典派から初期ロマン派にかけての知られざる室内楽を探している方には非常に興味深い1枚です。フェッラーリはイタリア北部、南チロル地方のロヴェレートに生まれ、ナポリやパリ、ロンドンなどヨーロッパ各地で活動した作曲家・音楽理論家・声楽教師です。オペラや声楽作品で成功を収めた一方、ヴァイオリンまたはフルートを伴うソナタも40曲以上残しています。イタリア的な明るさや快活な旋律だけでなく、ふと陰影を帯びる哀愁豊かな旋律も随所に現れ、さまざまな土地で音楽を吸収したフェッラーリならではの洗練された書法を感じさせます。
マリオ・ラッキーニのフラウト・トラヴェルソとキアラ・ニコラの卓上フォルテピアノによる演奏もなかなか魅力的。ラッキーニが使用するのは、1994年にルドルフ・トゥッツが製作した、1780年頃のアウグスト・グレンザー製をモデルとする楽器。柔らかく温かみのある音色には現代フルートとは異なる素朴な味わいがあり、フェッラーニの旋律を実に生き生きと聴かせてくれます。そこに組み合わされるのが、1799年頃のライリー製卓上フォルテピアノ。軽やかでチャーミングな響きはフラウト・トラヴェルソとの相性が抜群で、2つの楽器が競い合うというより親密に語り合うような室内楽を作り上げています。音の大きさではなく、細かなニュアンスや旋律の表情を味わうタイプの演奏で、古楽器ならではの繊細な魅力が存分に引き出されています。明るく伸びやかな楽章だけでなく、どこかもの悲しい旋律も現れ、単なる愛らしい古典派小品集では終わらない奥行きを感じさせます。「こんな作曲家がいたのか」と驚かされるような知られざる作品を当時の楽器による温かな響きで楽しめるのが本盤最大の魅力。 フェッラーリという作曲家に出会えるだけでも価値があり、フラウト・トラヴェルソやフォルテピアノを愛好する方や知られざる古典派・初期ロマン派の室内楽をお探しの方には貴重な1枚です。現在では入手が非常に難しい珍しいCDです。未開封新品です。