







初代 上野玉水 木彫小禽 一対
小禽木彫の名工として知られる上野玉水によるものと思われる木彫小禽二点一対です。
一方は岩上にとまり、頭を深く下げながら長い尾を真上へ立てた躍動感ある姿。もう一方は地に立ち、長い尾を水平に伸ばした落ち着いた姿で、二羽を並べることで非常に印象的な対の構成となっています。
特筆すべきは、二点それぞれに「玉水」の陰刻銘が確認できることです。
岩上の一羽には岩肌側面に「玉水」、もう一羽には鳥体下面の羽毛彫りの中に設けられた平滑面へ「玉水」と刻まれています。双方の銘は接写写真を掲載しておりますので、ぜひ拡大してご覧ください。
また二羽は、姿勢や全体の高さこそ大きく異なりますが、鳥体の嘴先から尾羽先までの全長は約12.3cmと約12.5cmで、ほぼ同寸です。異なる姿勢で構成された一対作品であることを考える上でも興味深い特徴です。
頭部から胸部にかけては極めて細かな毛彫りが施され、翼は羽根一枚一枚を重ねるように立体的に彫り分けています。黒色の眼、嘴、細い脚、鋭く開いた足指、尾羽に至るまで精緻な彫技が見られます。
岩上の一羽は、荒々しい鑿跡を意図的に残した岩肌と、鳥体の緻密な毛彫りとの対比が美しく、高さ18.5cmと十分な存在感があります。
小さい一羽も全長12.5cmあり、細い脚や足指まで立体的に彫り出され、横姿・正面姿とも非常に表情のある作品です。
寸法・重量
岩上鳥
・嘴先~尾羽先 約12.3cm
・高さ 約18.5cm
・重量 約238g
小禽
・嘴先~尾羽先 約12.5cm
・最大胴幅 約3.6cm
・高さ 約7cm
・重量 約44g
※手計測につき若干の誤差はご了承ください。
銘
二点とも「玉水」陰刻銘あり。
付属品
共箱・箱等はありません。作品二点のみです。
色調について
現状は黒褐色~濃褐色を主体とした落ち着いた色調です。上野玉水には彩色木彫の作例も多く知られますが、本品については明瞭な彩色の有無、元来の仕上げ、経年変化等を当方では断定しておりません。現状のまま出品いたします。
状態
時代を経た木彫作品につき、経年のスレ、小傷、汚れ、色調変化等があります。
小さい一羽は、写真の通り足裏に小孔が見られ、脚・足部には継ぎ目状/補修痕とも見える箇所があります。当方では制作時の構造か後世の補修か断定できませんので、掲載写真を優先してご判断ください。
嘴、尾羽、脚、爪等の細かな部分も含め、状態は画像を拡大して十分にご確認ください。
二点双方に「玉水」銘があり、彫刻様式・造形・一対としての伝来等から初代上野玉水作品として出品いたします。
ただし共箱・鑑定書はなく、公的鑑定機関による鑑定は受けておりません。作者・年代を含め、掲載写真をご覧いただき、ご納得の上でご入札ください。
双方に玉水銘を備え、ほぼ同じ鳥体寸法で異なる姿勢を取る一対作品は、玉水作品を蒐集される方にとっても非常に興味深い一組と思います。
近代木彫・小禽彫・上野玉水作品をお探しの方、この機会にご検討ください。