1. ピエルネ(1863-1937)/チェロ・ソナタ ヘ短調 Op.46
2-4. ナディア・ブーランジェ(1887-1979)/3つの小品
5. ダンディ(1851-1931)/歌 Op.19(チェロとピアノ編)
6-9. ダンディ/チェロ・ソナタ Op.84
10. ピエルネ/エクスパンシオン Op.21
11. ピエルネ/カプリース Op.16
ニコラ・アルトシュテット(チェロ)、ホセ・ガリャルド(ピアノ)
録音:2008年8月18-20日、イギリス、サフォーク、ポットン・ホール
NAXOS【香港輸入盤】
1982年生まれのニコラ・アルトシュテットは、すでにGENUINやCLAVESなどのレーベルからCDをリリースしている期待の若手チェリストです。ベルガメンシチコフとゲリンガスに師事し、2005年のドイツ音楽コンクールやシュトゥットガルト国際チェロ・コンクール、2006年のアダム国際コンクールなど、数々のコンクールで優勝。その実力は広く認められており、本国ドイツをはじめ、日本でも「レコード芸術」誌などで繰り返し絶賛されています。NAXOSレーベルからのデビュー盤となる本作「フランスのチェロ作品集」は、アダム国際コンクール優勝の副賞にあたる「期待の新進演奏家シリーズ」の1枚として制作されたもの。しかし、その内容はたいへん凝ったもので、演奏機会の少ないピエルネ、ダンディ、ナディア・ブーランジェのチェロ作品を取り上げた、チェロ・ファンやフランス近代音楽ファンにも注目のアルバムです。
ロマン派と印象派の境目にあるかのようなピエルネのチェロ・ソナタ、古いフランスの舞曲形式を踏襲したダンディの作品、そして薄氷の上に築かれるかのような繊細な趣を持つブーランジェの作品と、同じ「フランス音楽」とひとくくりにはできない、多彩な表情を持った音楽が並びます。ピエルネの「チェロ・ソナタ」では、豊かな旋律美と洗練された和声が溶け合い、ロマンティックな情熱と近代的な色彩感が交錯。ダンディの「チェロ・ソナタ」では、古典的な構成を踏まえながら、フランス音楽らしい気品と深い叙情性が感じられます。一方、ブーランジェの「3つの小品」は、簡潔な形式の中に繊細な陰影と独特の緊張感を宿した作品です。アルトシュテットは、柔軟で繊細な表現と艶やかな音色を生かし、これらの作品を美しく歌い上げています。若い演奏家ながら幅広い表現力と静かな情熱を備え、作品ごとに異なる個性を鮮やかに描き分けている点が見事です。ピアノのホセ・ガリャルドも、チェロに寄り添いながら豊かな響きと緻密なアンサンブルで音楽を支え、二人の息の合った演奏が作品の魅力を引き出しています。フランス的な詩情と鋭敏な感覚が宿る佳曲を発掘し、その魅力をあらためて伝えてくれる一枚。チェロの美しい音色を堪能したい方にも、フランス近代音楽の知られざる名作に出会いたい方にもお薦めです。未開封新品です。