

『超力戦隊オーレンジャー』(ちょうりきせんたいオーレンジャー)は、1995年(平成7年)3月3日から1996年(平成8年)2月23日まで、テレビ朝日系列で毎週金曜17時30分 - 17時55分(JST)に全48話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。
概要
本作品より、改めて『秘密戦隊ゴレンジャー』『ジャッカー電撃隊』の2作品がスーパー戦隊シリーズに含められた。これにより本作品は、『ゴレンジャー』から数える形で「超世紀全戦隊20周年記念作品」として放送され[1]、戦隊シリーズの転換点となった。
モチーフには古代文明が選ばれ、動物型メカのようにわかりやすい形でデザインに落とし込んでいる[2]。また、オーレンジャーは神秘的な「超力」を備えた戦士であるため、ゴーグルの意匠「★■▼〓●」はESPカードを元にしているという文献がある[3]一方、プロデューサーの鈴木武幸は、それぞれ数字の「5、4、3、2、1」を表しており、超力とは超能力のような非科学的なものではなく、科学の粋を集めた力なのでESPカードとは趣旨が異なるという旨の発言をしている[4][注釈 1]。名前に関しては王様の"オー"とオーレの"オー"を引っ掛けているという[4]。また宍戸勝によれば、オーディション会場での仮名は『ナゾレンジャー』だったという[6]。
シリーズ20周年作品のため、原点回帰を念頭に置く形で、戦闘のプロ集団である『ゴレンジャー』の本質などと同じくメンバーを職業軍人と設定し、メンバーがレッドを「隊長」と呼んだり、追い詰められた世界の状況など、ハードなテイストの作風が指向された[出典 1][注釈 2]。また、『忍者戦隊カクレンジャー』などで行われていたレッドの非リーダー化、名乗り上げの中心をその回の主役が行うといったパターンを廃し、従来のレッドはリーダー、誰が主役であろうとレッドが中心という『恐竜戦隊ジュウレンジャー』以前のパターンも復活している。その傾向はオープニングの出演者紹介にも反映されており、レッドが単独で紹介されるのに対し、グリーンとブルー、イエローとピンクは2人まとめて紹介されるという、シリーズ中でも珍しいフォーマットとなっている。テレビ朝日プロデューサーの梶淳は、パワーレンジャーシリーズとの兼ね合いからヒーロー側をオーソドックスにせざるを得なかったと述べている[10]。
作中の時代設定は1999年と設定されている[注釈 3]。
あらすじ
6億年前に存在した超古代文明。その副産物である機械生命体が突如反乱し、暴動が鎮圧されてから幾壮年。西暦1999年、月面にその拠点を置くマシン帝国バラノイアは地球支配を果たすべく再び人類に宣戦布告を行う。地球人類の奴隷化と地球資源の没収による全面降伏に応じない人類に対して世界の主要都市であるニューヨークとパリに壊滅的打撃を与えたバラノイアの次の標的は日本の東京に向けられた。
だが人類はこの脅威に屈することなく国際空軍(U.A)の各地基地のメンバーからの防衛部隊U.A.O.H. =オーレンジャーを編成。カンブリア紀以前に栄えた超古代文明が遺した超力を武器にバラノイアに立ち向かう。
人間と機械の戦いは、6億年前の英雄キングレンジャー/リキや、謎の魔神ガンマジンの参戦、そしてバラノイア内部の内紛と世代交代を経て、より激しさを増していった。
登場人物
超力戦隊オーレンジャー
超古代文明の残したロストテクノロジーを利用して戦う国際空軍防衛部隊。通常オーレンジャーと言った場合こちらを指す。全員が超力を操り、投射される力の形は自身のゴーグルとスーツデザインに反映する。
軍服は水色を基調としており、女性陣はスカートを着用。左胸のカラーリングは男性陣は赤、女性陣は黄色となっている。シリーズで初めて番組1年間を通しての共通衣裳となった[11]。
登場当初はお互いを苗字の後に階級を付けて呼び合っていたが、第2話の終盤以降は吾郎を除き、下の名前で呼び合うようになった。
U.A.O.H.とは、"the United Air force OHranger"の略称[注釈 4]。英語の略語としては最後のHにも.が付くのが正しく、国際空軍所属車両の一部でもU.A.O.H.と表記されている。
変身前の5人の名字には超力の形である文字が含まれており、桃だけ名前にパーソナルカラーも含まれている。
星野 吾郎(ほしの ごろう)[注釈 5]
冷静な判断力と推理力に長けた超力戦隊の隊長[14][15]。変身前後問わずメンバーから「隊長」と呼ばれている。階級は大尉[出典 3]で、U.A.時代は中尉だったが、オーレンジャーに配属されたことで昇格する[12][14]。25歳[出典 3]。身長183センチメートル[12][14]。
空手・剣道・柔道などの日本武道全般[17]を得意とする[出典 4]。マルチーワの催眠術にかかって大事な物を持ってこいと命令された際には、母からの手紙である「日本一長い母からの手紙」を大事にしていた[ep 1]という昔ながらの日本男児。文面によると雪国の出身の模様。
料理や和菓子作りが趣味で[15]、「フランス料理のコツ」を読んでいる場面もある。生真面目で多少ユーモアに欠ける堅実な面も見受けるが[15]、休日には昌平とテレビゲームをするなど仲間とのコミュニケーションを取ることも怠らない人物でもある。普段から冷静でありながらも時には熱血というそのリーダーらしい性格から他のメンバーからの信頼は非常に厚い[15]。バラペテンを誘き出す変装作戦では暴走族に扮する[ep 2]。雷が苦手[15]。
『激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』では、バラモビルを巡る戦いでレッドレーサーとの一騎打ちの末に和解するも、その直後にボーゾックに捕らわれてしまう。救出に来たカーレンジャー共々、車人間にされかけるが、難を逃れたレッドレーサーに助けられる。
演じる宍戸勝は、吾郎の役柄について『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャーのような堅実で熱血漢、正義感に燃えるヒーローの古典的なリーダー像として作っていったと述べている[18]。
オーレッド
星野吾郎が変身する戦士[14]。
ずば抜けた格闘技能と多彩な剣撃を得意とし[12][15]、武道を応用した手刀や肘打ちも用いる[14]。
四日市 昌平(よっかいち しょうへい)[注釈 6]
超力戦隊の副隊長[出典 6]。吾郎以外が元々同じ部隊から選抜されているせいもありサブリーダー的存在。階級は中尉[出典 7]。27歳[出典 7]。身長182センチメートル[19][20]。
U.A.入隊前はボクサーだったため、ボクシングを得意としている[出典 8]。子供からも慕われる明るく陽気な性格だが[19][20]、最年長だけあって、冷静な判断力も兼ね備えており[15]、推理力も高い[20]。だが、その推理はたまにピントがずれていることもある。赤ちゃんをあやそうとした際に逆に泣かせてしまったことも(吾郎曰く「気持ち悪い顔」だった)。
大好物はラーメンとチャーハンで、餃子は自分で作るのもうまい[19]。特にラーメンの味は油ギトギトのこってり系が好みで、チャーシュー特盛スペシャルをよく食べている。とあるラーメン屋一家にやってきた「ピノキオ(バラピノキラー)」に料理を任せきりだったので、バラピノキラーを倒した後は、ラーメン店本来のラーメンを食べるもまずいと評していた[ep 3]。マルチーワの催眠術にかかって大事な物を持ってこいと命令された際には、萬珍亭というラーメン屋の無料券を大事にしていた[ep 1]。バラペテンを誘き出す変装作戦では着物の女性に扮する[ep 2]。狭い場所が苦手[15]。
『激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』では、U.A.O.H.を遊園地と勘違いしたカーレンジャーに、U.A.O.H.の正しい意味を説明した。
小笠原猛は第2話のラストを観て、男性は二の線で演じている感じがして、それでは面白くなく個性が出ないと思い、演じる正岡邦夫に対して、「お前は三枚目で行け」と指導し、正岡もそれに食い下がってきたという[21]。
オーグリーン
四日市昌平が変身する戦士[20]。
軽快なフットワークからボクシングを活かした連続パンチを得意とする[出典 6]。また嗅覚も優れている[20][15]。
三田 裕司(みた ゆうじ)[注釈 7]
フェンシング[出典 10]や器械体操が得意で[23][15]、跳躍力が高く、アクロバティックな戦いを繰り広げる隊員[23][15]。階級は中尉[出典 11]。21歳[出典 11]。身長182センチメートル[22][23]。
バッカスフンドへの復讐を狙うマシン獣、バラリベンジャーの心情に理解を示す[ep 4]クールでのんき者な一面がある一方で、バッカスフンド戦のように怒ると無鉄砲に相手に決闘を申し込む短絡的な面もあり[15]、その情に傾きがちな性格は5人の中で一番幼いとも言える。ジニアス黒田にもその欠点を突かれてパワーブレスを奪われる失態を犯したこともある[ep 5]。一人っ子であり、兄弟の存在を羨ましがる描写も見られ[ep 6][22]、特に子供に対しては優しい。また自分のことは美青年と思っている[注釈 8]。
フランス貴族に育てられた[15]名家のお坊ちゃまらしいが、マルチーワの催眠術にかかって大事な物を持ってこいと命令された際には、残高3,982円の貯金通帳を持ってきた[ep 1]。バラペテンを誘き出す変装作戦では樹里とともに夫婦に扮する[ep 2]。暗い場所が苦手[15]。
一般人に対して少々高圧的で、駐車禁止区域に停めたことを注意された警官に傲慢な態度で接したり、バラペテンの水晶の影響でおかしくなっていた里子から「おじさん」呼ばわりされた時には激怒し[注釈 8]、『激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』では倒れていた恭介をバラモビルを追っていたとはいえ「どけ!」と踏みつけている。そのことを謝罪もしなかったことから、恭介の怒りと反感を買ってしまったために、オーレンジャーとカーレンジャーの対立の原因の1つを作ってしまう。
演じる合田雅吏は、当初「気が強くて現代風」という裕司の役柄の設定がつかめず10話ぐらいまでキャラクター作りを思い悩んでいたが、脚本家の井上敏樹から「自分の思ったことを素直に出せばいい」とアドバイスされ、自身の地に近い演じ方をしたという[18]。また回によってのキャラクター付けのブレに関しても、脚本家や監督によって解釈が代わるため割り切って臨んだという[24]。
オーブルー
三田裕司が変身する戦士[23]。
空中からキックや頭突き、デルタトンファで攻撃する空中殺法を得意とする[22][23]。また、聴覚も優れている[23][15]。
オーブルーのスーツアクターを担当した竹内康博は、長身の合田雅吏とは身長差があったため、アクション監督の山岡淳二から低くポーズをとることで身長差を感じさせないよう指示されていた[25][26]。
二条 樹里(にじょう じゅり)[注釈 9]
マーシャルアーツの使い手[出典 13]で、サバイバルの心得もある女性隊員。またエアロビクス[15]などのダンス全般を得意とし、戦闘時においても効果的に利用している。階級は中尉[出典 14]。22歳[出典 15]。身長173センチメートル[27][28]。
本来は努力家なのだが、時折自信過剰で失敗してしまうこともしばしば[15]。比較的男っぽい性格ではあるがファッションなど美に対するこだわりを持ち[15]、趣味が被るため桃とはこの点ではライバル[27]。また、見た目は大人びているがかわいいものに目がなく、中に爆弾が仕掛けられた人形をそうとは気づかずに基地に持ち込んでしまう[ep 3]など周囲を危機に陥れそうになったことがあり、裕司に叱られたことがある。
家族構成としては学校教師の姉の崎元晴美がいるほか、実という甥がいる。辛いものが食べられず、料理が苦手[15]。
上記にあるようサバイバルに長けているため過酷な環境でも自分を律する強い精神力の持ち主で、吾郎たちが洗脳されている際に水着姿で孤軍奮闘した[ep 7]。『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』では黄色のハイレグ姿を披露。髪は普段は下ろしているが戦闘面が多い回では髪を留めている。
『激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』では、昌平と共にバラモビルの捜索を行い、途中で吾郎と裕司と合流した。
オーイエロー
二条樹里が変身する戦士[28]。
キック力は一撃で相手を数十メートル先へ蹴り飛ばす[27][28]。また女性戦士ながらパワーにも優れ、バーロ兵を軽々と投げ飛ばす[27]。また戦闘時にはピンクとのコンビネーションを発揮する[27]。味覚も優れており、水をひと舐めしただけで水源を分析することができる[28][15]。
丸尾 桃(まるお もも)[注釈 10]
中国拳法と合気道が得意[出典 17]。メンバーで一番背が低く、体が柔らかい。階級は中尉[出典 18]。20歳[出典 18]。身長157センチメートル[29][30]。
東京都墨田区出身の下町育ち[29][15]。昔の遊びや古い街、浴衣が大好きで夏休みには必ず帰っているようで、そこをバラノイア(バラカッカ)に狙われたこともある[ep 8]。バラペテンを誘き出す変装作戦ではハゲ親父に扮し、加藤茶のギャグを披露した[ep 2]。家族構成では兄がいるが、劇中未登場。ちゃっかり屋だが情にはもろく、感情が態度や表情にすぐ表れ[15]、最終決戦時はブルドントJr.のあどけない姿と、体を張ってその孫の助命を懇願するヒステリアに心を打たれ、敵への戦意を無くした[ep 9]。彼女もいささか自信過剰な性格だが、臆病者でもある。樹里とは自身のスタイルやファッションの趣味で張り合うこともあるが[15]、普段のコンビネーションは抜群。
桜坂小学校卒業生で子どものころの夢は看護師。高い場所と蛇に弱い[30][15]。
初期のオープニング映像のサンダーウイング操縦シーンで裕司の後ろの席に座り、別機に向かってウィンクしたり、「まぁ襲われちゃうのは結局この美しいあたしよねぇ〜」と言ったり、劇中で茶目っ気を多々見せた。第23話では白の水着姿も披露している[ep 7]。また『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』では、抜群のスタイルでオレンジ色のビキニ姿を披露したこともある。
『激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』では、U.A.O.H.南米支部で活動しており、オーレンジャーとカーレンジャーの対決の際には、オーレンジャーが1人欠けている事態となったが、戦闘開始前に駆けつけ、5人揃った。オーレッドがボーゾックに拉致された際には、原因の1つであるレッドレーサーに軍法会議を行うことを告げた。
オーピンク
丸尾桃が変身する戦士[30]。
拳法を活かした投げ技や手刀で戦う[29][30]。また温度変化や空気の振動に敏感で、索敵能力や皮膚感覚に優れる[30][15]。
『激走戦隊カーレンジャー』(げきそうせんたいカーレンジャー)は、1996年3月1日から1997年2月7日まで、テレビ朝日系列で毎週金曜17:30 - 17:55(JST)に全48話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。
概要
本作品では、「車をモチーフに作る」ことを前提として企画が立ち上げられており[1]、特に放映当時一大ブームとなっていたレクリエーショナル・ビークル(RV)や、第二次ブームの最中であったミニ四駆などの要素が多く取り入れられている。また、キャラクターや技のネーミング、サブタイトルなどにも自動車や交通関係の語句が多く取り入れられている。
それまでのシリーズには必ず登場していた戦隊メンバーのバイクに相当するものとして、本作品では個人用の移動手段としてカート「スピーダーマシン」、中盤からはスポーツカー「ペガサスサンダー」とバギー「ドラゴンクルーザー」が登場している。
後者は企画段階で物語後半に登場させる予定のあった巨大ロボを「すべて車のロボットでは視聴者の混乱を招くのではないか」という意見もあって見送った代わりに出された案であり、これに伴い、巨大ロボの数が多かった前作に比べ、本作品での巨大ロボの総数は4体に留まっている[1]。
それまで何らかの形で取り入れられてきた、スーパー合体などを始めとするロボ同士のギミックは一旦排されている。一方で合体前のビークルがロボ形態にも変形するVRVロボや後年の作品に多く見られるマルチ合体の走りである天下の浪速ロボスペシャルなどといった画期的な試みも行われた。
作風
不条理なギャグや、スーパー戦隊シリーズのセルフパロディが盛り込まれたシュールな物語が展開される[2][注釈 1]。この従来とは異なるコミカルな味付けの作風には、本作品が『秘密戦隊ゴレンジャー』から数えて20作目であることから、同作品にオマージュを捧げる意味合いも込められていたという[1][4]。
東映プロデューサー(当時)の髙寺成紀は旧態依然とした制作現場に危機感を抱いており、子供たちに視聴してもらうにはどうすべきか検討した結果、「当時の特撮番組より視聴率を獲得していたアニメがバトルものよりコメディタッチのものが多かったことに着目した」と述べている[4]。
動きで敵を翻弄し、強烈な攻撃を放つ[出典 4]。