英国出身の若手ジャズ・ピアニスト、トム・ヒューソン(Tom Hewson)が2017年にイタリアの名門レーベルC.A.M. JAZZからリリースした完全ソロ・ピアノ・アルバム『Essence』の解説です。
アルバム概要
アーティスト: Tom Hewson(トム・ヒューソン / Piano)
タイトル: Essence(エッセンス)
レーベル: C.A.M. JAZZ(CAMJ 7912-2)
発売年: 2017年
録音地: ウィーン(オーストリア)
作品の特徴と背景
エンリコ・ピエラヌンツィやケニー・ホイーラー、ジョン・テイラーといった現代欧州ジャズの巨匠作品を数多く送り出してきたC.A.M. JAZZからのソロ・ピアノ作。2014年にノッティンガム・ジャズ・ピアノ・コンクールで優勝するなどクラシックとジャズの双方に深い造詣を持つトム・ヒューソンの、類稀なる構想力とタッチの繊細さが余すところなく捉えられています。
本作はウィーンのスタジオで録音され、透明感溢れる美しい音響空間の中で、ビル・エヴァンス的なクラシカルな静寂とモダンな即興性、空間の隙間を生かした抒情的なアプローチが静かに交差します。
収録曲と見どころ
全11曲中、ヒューソン自身のオリジナル8曲に加え、彼に大きな影響を与えた名匠たちのカバーが組み込まれています。
オリジナル曲: オープニングの「Constellations」やタイトルトラック「Essence」に見られる静謐で探求的なアプローチから、「Major Malfunction」のように軽妙なリフと知的な展開を見せる旋律まで、彼の多面的な作曲センスが際立ちます。日本での体験や風景からインスピレーションを得たと思われる「Koyasan(高野山)」といった情景描写的なトラックも印象的です。
名曲カバー:
チャールズ・ミンガスの名曲「Goodbye Pork Pie Hat」:音数を極限まで削ぎ落とし、原曲が持つディープなブルースのエッセンスを静謐なソロ・ピアノへと再構築しています。
ケニー・ホイーラーの「Consolation」
ジョン・テイラーの「Summer (Phases)」:生前に交流のあった巨匠へのオマージュとして敬意と叙情を込めて演奏されています。
ライナーノーツは英国BBC Radio 3のジャズジャーナリスト、ブライアン・モートンが手掛けており、ヨーロッパの静謐なソロ・ピアノ作品や現代的なピアノ・アンビエンスを好むリスナーにとって非常に満足度の高い一作です。
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