

○ショルティCSO ブルックナー第7番 ベートーヴェン第1番 ‘78 ライヴ
FKM-CDR955/6 (CD-R2枚組)
ベートーヴェン
交響曲第1番ハ長調 作品21
ブルックナー
交響曲7番ホ長調
1978年9月5日 ロイヤル・アルバートホール(プロムス) ライヴ
ショルティ指揮シカゴ交響楽団によるプロムス公演は、ベートーヴェン《交響曲第1番》とブルックナー《交響曲第7番》という、いかにもショルティらしい剛直なプログラム。
前半のベートーヴェンでは、冒頭からシカゴ響特有の精密なアンサンブルと鋭いリズムが際立つ。ショルティは音楽を重く構えず、各声部を明晰に浮かび上がらせながら、推進力のある造形を示す。古典派としての均整よりも、音楽の運動性と劇的なコントラストを前面に押し出した演奏である。
そして圧巻はブルックナー第7番。ここではショルティの強靱な統率力とシカゴ響の巨大な音響能力が結びつき、壮麗で見通しのよいブルックナー像が築かれる。弦の厚み、金管群の輝かしい咆哮、ティンパニの強烈なアクセントはいずれも鮮烈で、とりわけクライマックスでは巨大な音塊が一気に立ち上がるような迫力をみせる。
一方で、ブルックナー特有の祈りにも似た静謐さや、時間が停止したような深い呼吸を求める聴き手には、やや直線的で劇的に過ぎると感じられる部分もあろう。しかし、ショルティは細部を曖昧にせず、巨大な構築物を明確な輪郭で提示する。その意味でこれは、1970年代後半のシカゴ響の機能美とショルティの指揮芸術を鮮やかに刻み込んだプロムス公演である。
とりわけブルックナー終楽章における推進力は圧倒的で、壮大な建築性よりも、音響そのものの生命力によって聴衆をねじ伏せるような強さがある。ショルティ=シカゴ響の黄金期を象徴する、強烈な推進力と圧倒的な音響を備えたブルックナー第7番である。
※オリジナルによるノイズ・音飛びなどお聴き苦しい部分がある場合がございます