

ご覧いただき有難うございます。
『すばる』2021年9月号。文学と言語、水俣病、社会運動、音楽、映画などを横断し、表現と社会との関係を考える読み応えのある一冊です。
島田雅彦の新連載「時々、慈父になる」がスタート。小説は、須賀ケイ「君の世界にぼくが生きられるなら」を掲載しています。
講演では、水村美苗「母語で書くということ」を収録。日本語と英語の間で育ち、小説を書いてきた作家が、母語とは何か、なぜ日本語で書くのかという根源的な問題を語ります。
木村友祐の講演「私の原点―『苦海浄土』と水俣病」では、石牟礼道子の代表作『苦海浄土』と水俣病を取り上げ、自身の文学的出発点と社会に向き合う創作について論じます。
瀧波ユカリと武田砂鉄の対談「連帯と草の根―特効薬のない問題に立ち向かう」では、ジェンダーや社会的不平等など、簡単には解決できない問題に対して、個人が声を上げ、他者とつながることの意味を語り合います。
西村紗知の評論「グレン・グールドに一番近い場所」は、孤高のピアニストとして知られるグレン・グールドの演奏と思想に迫る音楽論です。
映画監督・濱口竜介へのインタビューも掲載。さらに、石沢麻依「透明な二人称」、岡田育「おばさんはスポットライトの傍らに」のエッセイ、第45回すばる文学賞予選通過作発表を収録しています。
角幡唯介「裸の大地 第二部」も本号から開始。連載は田中慎弥「流れる島と海の怪物」、宮本輝「よき時を思う」、村田沙耶香「世界99」、恩田陸「鈍色幻視行」、花村萬月「ハイドロサルファイト・コンク」、奥泉光、高橋源一郎、池澤夏樹ほか。尾崎世界観「こんなことしてていいのか日記」第3回、櫻木みわ「読書日録」も掲載しています。
2021年8月6日発売、集英社刊、定価970円。
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