★商品説明★ 宇江佐真理著 「うめ婆行状記」 朝日文庫

      2018年 3月 文庫3刷
      定価    620円+税  326頁

★著者略歴★  1948~2015年。函館生まれ。函館大谷女子短大卒。1995年「幻の声」で第75回オール讀賣新人賞。2000年「深川恋物語」で第21回吉川英治文学新人賞。2000年「余寒の雪」で第7回中山義秀文学賞。市井の女性を主人公とする時代小説で有名。また故郷の松前藩を舞台にした作品も多い。2015年、癌を告白しその年の終わりになくなる。

★作品内容★  2015年1月に自身の癌を告白し、一年もたたないうちに亡くなられた著者の未完の遺作。その間に書かれた連載作品。未完というが、解説にもあるようにここで(完)のクレジットを入れれば、それでも終われる充実した作品。己の死を見つめながら書き上げた作品だ。
 うめは大店のお嬢さんとして何不自由なく育ち、町奉行所の同心との縁談も両親初め本人も断り続けていたのだが、押し込みを捕まえた恩からいやいや嫁入りする。飯は不味いし、小姑は武家出身でない梅にいやみばかり、その上嫁入り道具も自分のものに、夫は肉親可愛さに強くは言ってくれない。それでも30年、4人の子供を為し、頑固で短気な夫に仕えてきた。そんな夫が還暦前にぽっくり亡くなってしまった。梅は残りの人生を自由に生きることに決めて、家を出た。実家の父が残してくれたお金もあるし当分は暮らせるだろう。物語が進むうちにそれだけの理由では無いことも明らかになるのだが、それは本文を読んでいくうちにわかる。ともかく弟の嫁とは気があっていて、家を探し、偶然と鳴りには昔出入りの老夫婦が棲んでいてその助けも得て、新生活が始まり庭の梅ノ木になる梅を梅干にすることに。でもそれからが大変、実家の跡取り問題や、女の確執、平和に暮らして行けるのか。もう婆(48だから現代で婆と呼べば怒られるが、当時は立派な婆さん)の終活の物語。著者自身の気持ちもこめた集大成。

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