作品本体に刻まれた彫り銘、および付属する桐共箱の墨書・落款が完全に一致する、二代 大饗仁堂の正真の基準作です。
■ 仕様・サイズ
  • 作者:二代 大饗仁堂
  • 作品名:手捻双狗置物(てづくね そうくおきもの)
  • 制作年:1994年(平成6年・甲戌)初窯
  • 技法:備前焼(無釉焼き締め)、手捻り(中空成形)
  • 意匠:双狗(2頭の犬)、竹の葉、お多福の面
  • 寸法:幅 約26cm × 奥行 約26cm × 高さ 約16cm
  • 重量:約3.4kg
■ 特徴と見どころ
  • 造形と構成:型を一切使用しない手捻り技法。伏臥する狗と上体を起こす狗を一体化させた立体構成は、高低差と奥行きが緻密に計算されており、全方位からの鑑賞に堪えうる優れた彫塑空間を構築しています。背面には「竹の葉」と「お多福の面」の精緻な薄肉彫りが添えられています。
  • 焼成と窯変(景色):前面には還元炎による渋みのある「鉄褐色・紫蘇色(しそいろ)」の緊密な肌合いが、背面(後方の狗の頭部から背)には薪の灰が自然溶融した「黄土色の胡麻(自然釉)」がなだらかに広がっており、明瞭なコントラストを描いています。初窯特有の雑味のない、瑞々しく格調高い発色が特徴です。
■ 状態および在銘
  • 作品本体:目立つキズ、欠け、割れ(ニュウ)はなく、保存状態は極めて良好です。
  • 本体在銘:作品の背面右下に「甲戌初窯 仁堂」の鮮明な彫り銘(刻印)あり。
  • 本体底面:陶印(印鑑)はありません。底部に見える丸い閉塞痕および各足裏の白い箇所は、成形時の中空処理(空気抜き・穴埋め跡)および焼成時に棚板との融着を防ぐために作家が施した「目跡(敷き粘土痕)」、完成後のガタつき調整による擦り合わせ跡であり、製造工程上の健全な痕跡です。
付属品:紐付き桐共箱(表書き、および裏書きに「甲戌初窯 仁堂」の墨書、作家落款印あり)。