万年筆のペン先（ニブ）をみると、日本人は、14K585や18K750等の金ペン信仰が根強いです。

他方、欧米では金ペンは高級万年筆に使用が限定され、レギュラー品は、スティールニブが一般的です。

特に、イタリアンレジンやスターリングシルバー925等の高級素材を軸やキャップに使用した場合を考えてみましょう。

金ペンを使用すると高額になってしまい、一般人には手が届かなくなってしまいます。

それを避けるため、欧米の筆記具メーカーでは、レギュラー品は軸に高級材料を使用することで万年筆自体の魅力度を高める代わりにスティールペンを使用して値段を抑え、万年筆の製品としての高級感や魅力と値段の買い易さを両立させています。

スティールペン先も、現代技術で飛躍的に書き味を高め、ものによっては14K585の金ペンと差がない書き味を実現させています。

特に、JOWO、シュミット、BOCKのドイツ３大ニブメーカーは、それぞれの会社の研究によりいい書き味を実現させているのが今日の状況です。

このような状況を反映させ、スティールニブを、欧州では「ハーモニックスティールニブ」と呼んでいます。

こちらの万年筆も、軸とキャップはイタリアンレジンという非常に魅力的な材料を使い万年筆の魅力度を高め、ペン先はハーモニックスティールニブを使い値段を抑えて、高級感と買い易さを両立させたものです。