





■無覚語状・牢人状[牢人之申状](鈴木光宝書)稀書往来物
【判型】大本1冊。縦243粍。
【作者】鈴木光宝書。
【年代等】江戸後期書。
【備考】分類「往来物」。『無覚語状・牢人状』は、標記の2つの往来物を合本したもの。「無覚語状[無覚悟状]」は、武蔵国のある男が数々の悪業を重ねる有様を述べて戒めとした教訓。本文は「是、武蔵国傍男一人候歟、親・祖父生下馬鹿、無覚悟物勢長大而、顔形似人、其心根性無人…」と起筆して、この男の親不孝や悪事、非人ぶり、また哀れななれの果てを記して、これらは結局、「無覚悟揃」の結果であると諭し、それだからこそ、「幼稚節、父母・師匠之不随教天罰、今社可思知。是、我意無覚語也」と結び、最後に、善人・悪人の教訓歌2首を付す。以上の本文を6行・ほぼ無訓で記す。また、「牢人状」は、延宝4年5月、[京都]安田十兵衛板の写しで、「牢人領靠誹諧、述疲侘事、雖似述懐、当以狂言綺語、慰貧家…」と起筆し、「…只、須翻愚癡念。願未来之菩提者也。恐々謹言」と結ぶ本文を5行・ほぼ無訓(一部別筆で付訓)で記す。内容は、牢人が困窮しきった有様を記し、それというのも、身の修養を怠って忠孝に励まず、戦場で名を挙げる活躍をしなかったなど「過去の罪業」によるものであるから、これからは心を入れ替えて来世の菩提を祈るようにと諭したもの。「牢人状」の刊本は慶安3年・[京都]西村又左衛門板で、以後、万治2年板、延宝4年板等が初期のものだが、これら刊本に先立つ、常州真野・池田喜太夫の寛永3年閏4月筆写本(横山重旧蔵)もあるという。
★原装・状態概ね良好。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。