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水原秋櫻子著『魚鳥の句作法』。昭和12年、沙羅書店刊の初版本です。

見返しに、著者による毛筆句

「渦めぐり
 やまべ釣る泛子
 皆めぐる」

と「秋櫻子」の署名があります。

同句は本文25頁に掲載されています。「泛子」は釣りの浮きを意味する語で、本文の活字表記に従っています。

本書は、魚や鳥を題材に俳句を作る際の観察方法や着眼点、季節感の捉え方などを、実作例とともに解説した俳句作法書です。掲載句を単に紹介するだけでなく、実際の釣りや自然観察を通して、句が生まれるまでの過程が具体的に語られています。

水原秋櫻子は、松根東洋城、のちに高浜虚子に師事した俳人・医師です。高野素十、山口誓子、阿波野青畝とともに「ホトトギス」の四Sと称されました。のちに同誌を離れ、俳誌「馬酔木」を主宰。叙情性と絵画性を備えた句風で、昭和俳壇に大きな足跡を残しました。

昭和12年5月7日印刷、同年5月10日発行。著者名は本名の「水原豊」と記載されています。発行所・沙羅書店、刊行時定価1円60銭。

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