




112,300円でSOLDと表示されておりますが、落札されてはおりません。経緯が未だによく分かりません。更には取引経験の浅い、私のミスも重なり、高い授業料を支払う羽目に。皆様には混乱に落とし入れてしまい、心よりお詫び申し上げます。ごめんなさい。
著名な作家の「銘」がある一点物は、そもそも高価な作品が多いです。況してや名工であれば、尚更です。この上なくシンプルであり乍らも、だからこそ惹きつけられて止みません。こちらの作品は、秘蔵のお宝としてきました。決して素手で触れることなく夜な夜な眺めては清酒を一杯、二杯といただき乍ら、江戸という時代を感じ取り、想像して楽しんできたのですけれども、事情によりお譲りすることといたしました。大切になさっていただけましたら、嬉しい限りでございます。
寸法:横5.5cm*縦8.5cm*厚さ2.8cm[本体]
量目:63g[桐箱を除く]
江戸時代後期の作か。山本春正(やまもとしゅんしょう)は、江戸時代前期の初代から後期の10代まで続くが、本品が何代作なのかは判らない。何れも名工であったことは間違いなく、春正銘の蒔絵は、「春正蒔絵」と称された。
本品は、内側、外側とも全て桜の樹皮を貼り込んで成形され、味のある桜の樹皮の文様に部分的な「金梨地」を加えて叢雲(むらくも)を表し、表面にホトトギス、裏面に大きく三日月が蒔絵されている。材質や工法が創意工夫され、意匠や仕事も良く、合い口の調子も良い。資料的にも貴重であると聞く。
本体底部の一部に桜の樹皮の剥落があるが、時代物、古作では仕方がなく、それ程目立って気になるものではない。状態としては頗る良好である。
桜の樹皮の貼り込み技法は、よく見掛ける漆塗り技法よりも仕事的には難しいとのことだが、抜群の出来映えの『印籠』である。
注)組み紐は新しく仕立てていただきました。その当時のものではございません。
注)根付けは元々本体と対になっていたものではございません。本体の雰囲気に合わせて対にしております。
注)画像に少々赤みを帯びて写っているものがございます。
注)本品は、平成16年(2004年)に誠意があり、信頼のおける古美術店から入手し、定温定湿な暗所で気を遣いながら保管しておりました。黴(かび)の発生等、不具合は一切ございませんが、時代物、古作であることを十分にご理解いただいた上で、落札くださいますよう、お願い申し上げます。