『クマのプーさん』は1926年、作者A.A.ミルンが40代のときに刊行された。ミルンはすでに風刺雑誌『パンチ』の副編集長および同誌で活躍するユーモア作家としてのキャリアを経ており、1924年に子供向けの著作としてはじめて手がけた童謡集『ぼくたちがとてもちいさかったころ』(When We Were Very Young)[2]が高い評価を受けていた[3]。この童謡集は当時3歳だった自分の息子クリストファー・ロビン・ミルン(英語版)のためにつくった童謡をあつめたもので、のちに「プー」となる彼のテディベアも「エドワード・ベア」の名称で「テディ・ベア」という詩のなかで顔を見せている(この詩の初出は『パンチ』1924年2月号)[4][注釈 2]。クリストファーがもう少し成長すると、ミルンは息子のために彼の持つぬいぐるみたちが活躍する物語を構想し、これが『クマのプーさん』のかたちをとった。 額面666円(1円、5円、10円、50円、100円、500円)