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フランス文学者であり、江戸の川柳・風俗研究家でもあった田辺貞之助による名著。
1. 江戸庶民の「リアルな日常」がわかる
江戸時代の中期以降に詠まれた「古川柳」(特に『誹風柳多留』など)を題材に、当時
の人々がどのような暮らしをし、何を笑い、どんな風習を持っていたかを、項目ごとに
分類・解説しています。教科書的な歴史書には載らない、衣食住、年中行事、路地裏の
人間模様、遊郭の裏話といった生々しい生活臭や本音が活写されています。
2. ユーモアあふれる軽妙な解説
著者である田辺貞之助氏の解説文が非常に「粋」で、ひょうひょうとしたユーモアに満ち
ているのが大きな魅力です。お堅い学術書というよりは、「江戸の笑いを現代のお盆に載せ
て、おもしろおかしく差し出してくれる」ような読み物としての楽しさがあります。
3. フランス文学者ならではの視点
田辺氏は、モーパッサンやゾラの翻訳、あるいはフランスの艶笑譚の研究でも知られ
る第一人者でした。西洋の小咄や人間風刺の視点もどこか底流にあるためか、古川柳
に描かれた人間の弱さやエロティシズム、滑稽さを、偏見なく客観的に、かつ愛情深
くすくい上げています。
江戸のサブカルチャーや落語の背景、当時の俗語などを知りたい方にとっては、現在
でも一級のエンターテインメント兼ガイドブックです。
・函にヤケシミあり、60年以上前のものです。
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