ルイジアナ州より、古き良きソウルの継承者 MARK DUNN による唯一作。
2000年代から絶滅が危惧されているソウルの無形文化財 = SAM COOKE ~
JOHNNIE TAYLOR による伝統的唱法を踏襲しつつ、R. KELLY 的な感覚も
併せ持った素晴らしいソウル・シンガーで、いぶし銀のバリトン/テナー
Vo.から繰り出される愚直なまでにソウルフルかつサムキッチュな節回しは
往年のソウル・フリークにとっても堪らなく魅力的だろう。本作では、自身
でソングライト~プロデュースまでこなしているが、メロディ・メイカー/
アレンジャーとしても目を見張るものがあり、古き良きソウルへの愛と造詣
の深さを窺わせる。JOHNNIE TAYLOR など80~90年代のサザン・ソウルを
彷彿させる男のロマンティシズムに、ISLEY BROTHERS ~ KEITH SWEAT
など80~90年代のアーバン・ソウルを彷彿させるエロティシズムを纏った
極上の楽曲群においてソウル職人としての非凡な才能を爆発させている。
全編総じて極めて濃厚なメロウネスが支配しており、イントロ・ナンバー
①からすでに只ならぬ雰囲気を醸し出す。JOHNNIE TAYLOR のみならず
MARVIN GAYE をも彷彿させるヴォーカルと語りが艶めかしく交錯する
幕開けに否が応でも期待が高まるだろう。その期待を裏切らない本作唯一
のミディアム・ダンサー②はメロディアスで多幸感に満ちあふれた最高の
ステッパーに仕上がっており、まさに「STEP IN THE NAME OF LOVE」
の南部版といった感じだろう。そして③から⑪まで怒涛の如くソウルフル
なメロウ・ナンバーのオンパレード。また要所での哀愁感漂うフルート&
ギター使いなどソウル心をくすぐるインスト・アレンジの数々にソウル・
フリークの涙腺は決壊必至。全編を彩る甘美で普遍的なソウル的美旋律は
ある種のノスタルジーや中毒性をも内包しており、一度足を踏み入れれば
特濃メロウネスの底なし沼に引きずり込まれること必至。2000年代中期の
インディ・ソウル諸作品の中でも桁違いのソウル濃度を誇る珠玉の名盤!