明治18年7月25日の日付のある、山田邦彦『 み山路の日記 全 』です。初版 和綴じ本 原題箋。序文 谷千生。「 美馬三好両郡之図 」見開き収載( 林省三図画 )。本文31丁。阿波国 名東郡 徳島 富田浦町 世渡谷文吉刊。  小学奨励試験を巡視するため、美馬三好両郡の、主に小学校を巡視した際の紀行文です。明治17年5月7日に徳島を出発し、6月2日に徳島へ帰着するまでの旅行記です。中心は祖谷紀行となっています。吉野川を遡行し、脇町ー池田ー山城谷ー西祖谷ー東祖谷ー小島峠ー一宇ー剪宇峠ー半平山ー穴吹ー脇町ー川島というコースを辿っています。この時代の自然・風俗・学校・交通・名所旧跡などが具体的に書かれ、貴重な記録となっています。  山田邦彦は長野県人。徳島県学務課長・徳島師範学校長などを務め、後年文部省に転じ、宮崎県・宮城県などで勤務し、函館区長(市長)にも就任しました。歌人 今井邦子の実父です。  谷千生は、国語学者で、山田邦彦に国文を教えました。  詳しい内容は写真欄をご覧願います。  両表紙と背に経年の変色・汚れ・シミ・折れ・折れシワ・原題箋上部の欠損とはがれ・本文の最初の3分の1ほどの上部に水濡れ跡があります。扉から9枚ほどの上部が薄い赤色に染まっています。これは扉の地が赤地で、この色がにじんだのではないでしょうか。元々は扉面が印刷されていたように思います。本文中の印刷面は良好で、読むには何ら支障はありません。  139年前の本ということで、ご理解願います。  サイズはタテ23.4cm×ヨコ16.0cm×厚さ0.7cm。  ゆうパケット310円でお送りします。  ★保存状態の記述は、あくまで出品者の主観的な評価ですので、保存状態にきびしい方は、入札をご遠慮願います。