■弁慶状[西塔之武蔵坊弁慶最期書捨之一通]正保3年 往来物
【判型】大本1冊。縦271粍。
【作者】不明。
【年代等】正保3年2月刊。刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。正保3年刊『弁慶状[西塔之武蔵坊弁慶最期書捨之一通]』は、「弁慶状」の本文を5行・付訓で記した古状単編型往来。「弁慶状」は、その内容からして『義経含状』とともに、江戸時代初期に作られたと思われる擬古状。特に『腰越状』と類似した表現が顕著で、それに基づいたものであろう。内容は、衣川において討死を覚悟した弁慶が、雲州鰐淵山に身を寄せ真言不思議の修行に打ち込んだ幼少から、五条の橋での源義経との出会い、以後のうち続く平家との合戦を想起し、梶原の讒言によって不運にも今主君とともに天命尽きんとする際の想いを述懐したもの。「良薬口に苦し」「金言耳に逆ふ」「感涙肝に銘ず」「貞女両夫に見えず」等の俚諺や対句が多用され、表現豊かな文章で綴る。文末の日付けは、史実である討死の年時「文治五年閏四月廿八日(または廿七日)」が一般的だが、中には「天和三癸亥(五月吉日)」という単行刊本の刊記を誤って踏襲したものも少なくない。刊本では慶安3年板や承応3年板があり、これら初期刊本の覆刻本のほか、江戸中期以降に頭書注解本や頭書絵抄本など種々の類板が見られる。
★改装・題簽欠・状態並み。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。