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図録本 茶湯釜 茶釜 茶の湯釜 日本の美術 写真解説

鈴木友也 編
文化庁/東京国立博物館/京都国立博物館/奈良国立博物館 監修
昭和48年初版
至文堂
108ページ
23x18.5x0.8cm
カラー・モノクロ
ソフトカバー

※絶版

茶道具の中でも茶の湯釜に注目し、国宝・重要文化財などを始めとした最高峰の茶湯釜に加えて、
茶湯釜が使われている様子などを描いた絵巻物など参考資料カラー・モノクロ写真図版136作品を収録したもの。
著名な古芦屋釜・古天命釜を中心とした茶湯釜銘品集兼基礎資料集。

小ぶり・モノクロ図版とテキスト解説文が中心でありながら、図半数は多く二段組テキスト。
釜の見どころ、所蔵先ほか詳細情報、第一人者による解説論考は、
内容充実、情報満載の研究書、大変貴重な資料本。


【茶湯釜 目次より】
茶釜の以前
 中世の湯釜
釜の歴史
茶の湯釜 芦屋釜・天命釜・京釜・その他
芦屋釜
天命釜
京釜 道仁・与二郎
茶釜の名称
茶釜の製作
釜の取扱い
図版目録
京釜師とおもな釜師の系譜
名物釜一覧
参考文献および主要文献抜粋


【作品解説 一部紹介】
第2図 芦屋七宝文真形釜
やや広めの口径で、くくりがゆるく、肩は丸く流れている。鐶付は低めの位置につき、おだやかな感じのする釜で、胴下が尾垂となりやや引締りの形に変えている。肩先の一条の紐は繊細な美しさを示し、全面に七宝文を鋳あらわすが、一時膚磨きされたときもあったであろうか。磨滅し、錆色は膚の趣とともに一段と味わい深い。

第2図 芦屋五匹馬真形釜(東京国立博物館)
繰口、眉の張った大形の真形釜である。胴回りに躍動する野馬を鋳出し、一面に3頭、他面に2頭の馬はそれぞれ疾駆し、草を食むなど動態が力強く、箆押しが巧みである。馬を鋳出した釜は少なくないが、これはその代表的なものである。肩下に付した鬼面の鐶付は力強く、底は替底で浅くなっている。雄大な気宇と動勢を強く感じさせる堂々たる名釜である。

第4図 芦屋春日野真形釜(藤田美術館)
胴の前後に雌雄の鹿を鋳出し、奈良の春日野の風景をあらわしたので春日野の銘がある。追う雄に振返る雌鹿の風情かなんとも言えない趣がある。素朴な図様は膚荒れと、羽、口縁の割れなどとともに雅味が深い。箱の蓋裏に正徳3年の由来書が貼ってあり、利休が物好きにこれを破り、釡師与ニ郎がこれを鋳掛け補修したという。

表紙 重文 芦屋 松梅図真形釜 根津美術館
見返 重文 芦屋 浜松図真形釡
 浜松図、または末の松山の地文で、著名な芦屋の真形釜である。繰口で肩はゆるく張り力強い鬼面の鐶付をつけ、芦屋の古様を示す典型的な釜である 肩上の一条の細い紐も目立たず、効果的に引締めている。胴に雅味のある低い霰を小規則に蒔いて霙洲浜とし、松樹を薄肉鋳出して風情を添えている、優雅な図様は大和絵の趣に似て、また和鏡の鏡背のそれのごとく、高雅な名品である。

【茶釜の以前 より】
 茶の湯釜は茶の美術の一つとして、茶を愛する人たちによって育てられた。日本独特の茶道美術のなかでも、鉄材の特色を生かした特殊な芸術として日本人の審美眼を最もよく示しているものともいえる。すなわち、茶の湯釜は文字どおり茶の湯とともに完成されたもので、茶人のもつ審美眼は、茶釜の鉄膚に最もよく侘茶の世界を現出し、鋳物師はその意をうけて独特の釜を完成した。もちろん、その以前から必要性と用途は茶の喫用としてのものがあり、茶の伝来とともにその喫茶用湯の道具があったわけであるが、喫茶用のための特別の茶釜があったかどうか不明である。もちろん、今日のごとき鉄製の茶釜があったかどうかもわからない。ただその喫茶の流行とともに湯をわかす器物として在来の鉄釜を利用したが、しだいに茶の湯釜として変化し、独特のものとして形成されたとみるべきであり、茶の湯釜の祖型は、在来の湯釜・飯釜などにその原流をたどるべきである。釜は湯をわかす道具であり、鉄製が多いが、銅製もあり、また一般的には製作の容易である土製釜も用いられたであろう。
 茶は高貴な薬として用いられたものであり、寺院僧侶・貴族が飲んだものであった。中国の『茶経』にあるごとく中国では古くから薬用として用いられ、わが国でも奈良時代には既に伝えられたともいう。弘仁六年には梵釈寺の永忠が嵯峨天皇に茶を奉り、唐風の喫茶趣味が堂上貴族の間で行われたという。鎌倉時代になって、臨済宗の僧栄西が、入宋し抹茶の法を学びわが国に伝え、『喫茶養生記』を著わし、肥前に茶園を造った。そして新しい薬用としてしだいに浸透・普及したようである。(以下略)


【芦屋釜 より 一部紹介】
 芦屋釜は古来茶釜として最も著名なもので、天命釜と並び称され、西の芦屋に東の天命、天命といえば芦屋と称されてきた。芦屋は筑前国(福岡県)遠賀川のあたりで、遠賀川はもと芦屋川と称し、その河口には芦屋村があり、この川の砂鉄や、土などを利用して鋳物が造られたものであったと思われる。『和漢三才図会』には筑前国土産の一つとして唐織・練酒などとともに「釜 遠賀郡芦屋里所 作田成称芦屋釜」の記載があり、元禄年間の『万宝全書』には炉釜之部に、
 芦屋釜上作筑前之内、伏見院之御宇弘安之比也、紋に松竹梅有、其外地紋品多し
と筆頭に記載してその声名のすでに高かったことを示している。しかし文献はいずれも江戸時代のもので、それ以前の確たるものがなく、芦屋の鋳工の遺例にたよるほかはない。これは、室町時代の茶の湯は闘茶を中心とする喫茶で唐物道具を珍重するもので、唐物たる茶碗・茶壷などの道具が主であり、茶釜は表面に出て、それほどの重要性をもたなかったためで、その後次第に道具の仲間に入り佗茶に至って、茶庵の主人たる位置を占めるに至ったのである。元禄十三年の茶の釜師西村道冶の著わした『釜師之由緒』では、古作では芦屋・天猫・越前の三か国をあげ芦屋は左記のように記し、
一、芦屋 筑前国
一、上代 極上作  凡五百年
二、中代 同    凡四百年
  末       凡百五十年
 釜鋳元祖は土御門院建仁年中、栂尾明恵上人、筑前
 国芦屋に御茶湯釜初而鋳しむる也
とあり、その上中末の分類は不明確であるが、その筆頭に記しその古い茶釜として古くから用いられたことを示している。それでは茶釜を造っていた芦屋の鋳物師はどんな鋳物師であったか。左記に芦屋の鋳物師と関係ある辿例の一覧を記してみると、(以下略)


【図版目録より】
(国宝、重要文化財指定記載有り)
重文 芦屋 松梅図真形釜 根津美術館
重文 芦屋 浜松図真形釜
重文 芦屋 七宝文真形釜
芦屋 遠山五匹馬真形釜 東京国立博物館
芦屋 遠山五匹馬真形釜(部分) 東京国立博物館
芦屋 春日野真形釜 藤田美術館
重文 芦屋 楓流水鶏図真形釜
重文 霰地 楓鹿図真形釜
重文 芦屋 松梅図真形釜 根津美術館
芦屋 霰地尾垂釜 五島美術鯨
芦屋 甑口菊地文釜 五島美術餓
芦屋 竹梅真形釜
芦屋 獅子牡丹図真形釜 五鳥美術館
芦屋 雪笹真形釜 松永記念館
芦屋 高砂図真形釜 五島美術館
芦屋 園城寺霰釜 東京国立博物館
天命筋釜 東京国立博物館
天命責紐釜 畠山記念館
天命姥口平丸釜 漲田美術館
天命甑口尾垂釜
鉄肩衝筒釜 東陽坊 畠山記念館
鉄茶釜 高台寺
鉄平釜 平等院「信貴山縁起」第一巻 朝護孫子寺
「遊行上人絵巻」第七巻 光明寺
「春日権現霊験記」第十六巻 宮内庁
「慕帰絵詞」第五巻 西本願寺
「慕帰絵詞」第八巻 西本願寺
「祭礼草紙」 前田育徳会
「地蔵縁起絵巻」 根津芙術館
高雄観楓図 東京国立博物館
醍醐花見図屏風
鋳銅の湯瓶 大山祗神社
根来塗り湯桶
湯釜 熊野本宮大社
湯釜 丹生官省符神社
芦屋 鋳銅釣燈籠 厳島神社
芦屋大江宜秀作 鰐口 今八幡宮
一乗谷出土鉄茶釜復原図
天命鰐口 輪王寺
天命宣吉作 銅祠 温泉神社
天命 鋳銅梅竹文釣燈籠 東京国立博物館
天命 鋳銅梅竹文釣燈籠
一乗院発掘の緑釉の鍔釜 奈良国立文化財研究所
手取釜
梵鐘 方広寺
芦屋 浜松図尾垂真形釜
芦屋 無地尾垂真形釜
芦屋 七宝文尾垂真形釜
芦屋 七宝文尾垂真形釜 鐶付
芦屋 楓流水鶏図真形釜
芦屋 楓流水鶏図真形釜
芦屋 楓流水鶏図真形釜 鐶付
芦屋 闘鶏図裏形釜 芳在院
芦屋 十徳釜
芦屋 浜松図真形釜 梅沢記念館
芦屋 源氏夕顔図真形釜
芦屋 源氏夕顔図真形釜
芦屋 源氏夕顔図真形釜 鐶付
芦屋 竹柳椿図真形釜
芦屋 籬松梅図真形釜
芦屋 浜松図真形釜
芦屋 霰地楓鹿図真形釜
芦屋 亀甲地文真形筌
芦屋 亀甲地文真形釜
芦屋 遠山五匹馬図釜 東京国立博物館
芦屋 遠山五匹馬図釜 東京国立博物館
芦屋 霰地野馬図釜 五鳥美術館
芦屋 霰地遊馬図真形釜
芦屋 霰地短冊図釜 五鳥美術館
芦屋 獅子牡丹図釜 五鳥美術館
芦屋 洲浜松図釜
芦屋 住吉図真形釜
竹梅図真形釜
瀬戸内芦図真形釜
高砂真形釜 五島美術館
浜松図真形釜
浜松図釜
和歌浦図真形釜
蹴鞠図真形釜
芦屋 霰地松梅図真形釜 根津美術館
芦屋 霰地松梅図真形釜鐶付 根津美術館
竹梅図真形釜
竹梅図真形釜
瀬戸内浜松図真形釜
住吉図真形釜
芦屋 霰無地真形釜
芦屋 霰無地尾垂真形釜 五鳥美術館
芦屋 霰無地真形釜
戸屋 霰無地真形釜
芦屋 姥口雹釜 徳川黎明会
梅図真形釜
浜松図真形釜
菊枝図釜
扇面草花図切合風炉釜 五鳥美術館
芦屋 糸目釜 徳川黎明会
芦屋 八景模様釜 徳川黎明会
梅竹図釜
洲浜松林図釜
香炉耳釜 五島美術館
野溝釜 東京国立博物館
野溝釜
万代屋釜
七宝文八角釜 東京国立博物館
芦屋 鉄香炉釜 松永記念館
芦屋 鉄香炉釜 松永記念館
芦屋 鉄香炉釜
芦屋 鉄香炉釜
芦屋 鉄香炉釜
芦屡 香炉釜 藤田美術館
柳地文真形釜
竹地文真形釜
楓栗文尾垂釜
大講堂釜 東京国立博物館
漁舟図釜
耿諒遊楽文釜
天命 極楽律寺甑口釜
天命 尾垂甑口釜
天命 筋釜 東京国立博物館
天明釜 銘「梶」 徳川黎明会
針谷釜
天命 責紐釜
平蜘蛛釜 東京国立博物館
天明 はじき膚釜
天明 甑口尾垂釜
尻張釜 総見寺
慶長七年在銘釜 聚衆来迎寺
梵鐘の銘文 専称寺
与二郎作 鉄湯釜 知恩院
与次郎作 梵鐘 西善寺
与二郎作 鉄燈籠 豊国神社
阿弥陀堂釜 妙法院
菊桐地文政所釜
四方釜
浄元作 桐紋釜
寛永二十一年在銘釜
釜の製作工程
濃茶の席 東京国立博物館

表紙 重文 芦屋 松梅図真形釜 根津美術館
見返 重文 芦屋 浜松図真形釡
 浜松図、または末の松山の地文で、著名な芦屋の真形釜である。繰口で肩はゆるく張り力強い鬼面の鐶付をつけ、芦屋の古様を示す典型的な釜である 肩上の一条の細い紐も目立たず、効果的に引締めている。胴に雅味のある低い霰を小規則に蒔いて霙洲浜とし、松樹を薄肉鋳出して風情を添えている、優雅な図様は大和絵の趣に似て、また和鏡の鏡背のそれのごとく、高雅な名品である。


★状態★
昭和48年発行のとても古い本です。
外観は通常保管によるスレ、経年ヤケしみ、小角いたみ、開きじわなどがある程度、
本文余白縁などに経年並みヤケしみなどがそれなりにあります。
カラー写真図版良好、目立った書込み・線引無し、
問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)


<絶版・入手困難本>ヤフオクでも数少ない、貴重な一冊です。
古本・中古品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。


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