■〈尊円流〉腰越状 江戸前期・本問屋板 往来物
【判型】特大本1冊。縦270粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸前期刊。[江戸]本問屋板。
【備考】分類「往来物」。『〈〈尊円流〉腰越状』は、「腰越状」の本文を5行・付訓で記した古状単編型往来。「腰越状」は、室町後期作で、古写本は天正10年頃書、古刊本は慶長5年刊([長崎]日本耶蘇会板)がある。江戸初期刊本はほとんどが大本1冊で、いわゆる『古状揃』所収の古状中、最も古く確実なもの。内容は、前内大臣平宗盛父子を捕らえた義経が鎌倉に入ろうと腰越に到着したところ、先の八島の合戦での逆櫓をめぐる口論で恨みを持つ梶原景時が頼朝に讒言し、兄頼朝の怒りを買ったことに対し、自らの功績を列挙し兄をないがしろにする気持ちのないことを、大江広元宛てに切々と述べる。本来、『平家物語』『義経記』等に収められていたものだが、刊本の「元暦二年六月日進上、因幡守殿」という年時・宛名の書き方は、流布本『義経記』や百廿句本『平家物語』に近い。単行刊本は『今川状』と合本したものが大半で、寛永19年・安田十兵衛板以降、類本の出版が続出し、さらに江戸後期の仙台板にも『腰越状』の単独版が登場した。
★原装・題簽付・状態概ね良好。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。