Olu
Soul Catcher
中古盤
日本国内盤
ニューヨーク出身の自作自演派マルチ・ミュージシャン、オルー。
いわゆる、ディアンジェロ以降のニュー・クラシック・ソウルの系譜に連なる人だが、彼のデビュー・アルバムとなる本作『Soul Catcher』は、なるほど確かに『Brown Sugar』にも通じる作品だ。
オルー自身も多くの楽器を演奏し、70年代ソウルの温かい手触りを感じさせるが、打ち込みのドラムの鳴りやビート感には確かにヒップホップを通過後の雰囲気が醸しだされ、クール&メロウでジャジーなR&Bが展開される。
と書くとまんま『Brown Sugar』なのだが、エグゼクティヴ・プロデューサーとしてシャーデーのスチュワート・マシューマンが関わっていることもあってか、やはりマシューマンがプロデュースしたマックスウェル『Urban Hang Suite』や、アデュ以外のシャーデーのメンバーによるプロジェクト、スウィートバックを思わせるような透徹された空気感もあるし、曲によってはAOR的なムードを漂わせていたりもする。
今ではすっかり忘れ去られた人、そして作品だが、個人的には90年代後半のニュー・クラシック・ソウルを彩った作品のひとつとして愛聴している。
アルバムのオープニング・ナンバー「Together」は、ジャジーでクールなトラック、歌とラップを行き来するように言葉を置いていくヴォーカルが、「Brown Sugar」を連想せずにはいられないセクシーなスムーヴ・チューン。
「Day After Day」はパーカッションが塗されたややハードなビートで突き進むアップ・ナンバー。霧に咽ぶようなムーディーでアダルトなジャジーR&B「Sista Why」、都会的な雰囲気のクールなダンス・トラック「Don't Cry」、「Long Way」はメロウなミディアム・スロウ。「Sweet Melody」は硬質なビートに浮遊するウワものとヴォーカルが乗るスタイリッシュなダンス・ナンバー。
「My World」はAORテイストの哀愁帯びたスロウ・ナンバー。生ドラムを使った「Baby Can't Leave It Alone」はオーガニックなグルーヴが心地よいネオ・ソウル・ミディアムで、アンプ・フィドラーがオルガンを演奏している。
「High Desert Woman」も生ドラムが重いグルーヴを生む、ロックっぽさも感じさせる荒涼とした雰囲気のミドル・チューン。アコースティック・ギターの爪弾きが琴線に触れるフォーキーな「A Change」、ラストのアルバム・タイトル曲「Soul Catcher」はハードなグルーヴで貫くファンク。
日本盤CDのボーナス・トラック「My Ride」はヒップホップ・ビートにワウ・ギターが絡むR&Bナンバー。