文久元年(1861)の日付のある、世界地理書で、清国 徐繼しゃ著『 瀛環志略(えいかんしりゃく) 』全10巻揃いです。和本。原題箋。本文第1巻39丁~第10巻20丁。井上春洋など訓点。阿陽 對嵋閣蔵板。書肆 阿波徳島 小西吉兵衛 宮嶋屋伊左衛門。對嵋閣は徳島藩のことで、南側の眉山に相対している位置関係によります。  この本は、世界各国の地理を詳述した内容で、この時代の地理研究者にとって、必携の研究書でした。徳島藩の藩校である「長久館」では、教科書として使用されました。  訓点を施した井上春洋は、別名 井上不鳴で、医師で洋学者。翻訳家 井上勤の実父です。  本文中に世界各地の地図が多数折り込まれています。模写したのは、第1巻が藩絵師の 鈴江貫中、第2巻以降が 渡邊廣芳(藩絵師 渡邊廣輝の養子)です。  詳しい内容は写真欄をご覧願います。  いずれも両表紙と背に経年の変色・薄い汚れ・薄い小シミ・色あせ・背布の破れ・原題箋の小はがれ・扉に旧蔵印・第10巻巻末にも別の旧蔵印があります。本文中の保存状態は良好で、摺り面は鮮明です。  163年前の和本ということで、ご理解願います。  サイズはタテ25.7cm×ヨコ18.1cm×厚さ0.6~1.1cm。  ゆうパック60サイズの着払いでお送りします。  ★保存状態の記述は、あくまで出品者の主観的な評価ですので、保存状態にきびしい方は、入札をご遠慮願います。