ルドルフ・ケンペの芸術
スクリベンダム発売時のオリジナル・デザインによる紙ジャケット仕様。
グルダ&ケンペ/ライヴ1972 イン・デュッセルドルフ
● ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲
● モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番K.595
● ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 op.88
フリードリヒ・グルダ(ピアノ)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1972年(ステレオ/ライヴ)
ルドルフ・ケンペ指揮
1972年11月29日、ドイツ正統派の守護神として黄金期を迎えつつあったケンペ&ミュンヘン・フィルはデュッセルドルフで障害者の福祉を目的とした慈善演奏会に出演しました。
そしてこのコンサートの収益及び実況を収めたレコードの売上は、時の大統領夫人ヒルダ・ハイネマンの名を冠した基金に寄贈されることになっていたのです。
大統領夫妻が臨席した当日のコンサートは、晴れやかな雰囲気の中、ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』前奏曲により堂々と開始されます。
ケンペの微妙にテンポを揺らした柔軟なアプローチとミュンヘン・フィルの明るく充実した響きが快適です。
2曲目は当日の呼び物となっていた人気ピアニスト、フリードリヒ・グルダによるモーツァルトのピアノ協奏曲第27番。
グルダは持ち前の美音を駆使し、控えめで端正な表現ながらも力強さと軽やかさを併せ持った表情豊かな演奏を聞かせます。
第2楽章や第3楽章で頻出するグルダならではの自由な装飾音も自然な感興に溢れており魅力的です。
そしてプログラムの最後を飾ったのがドヴォルザークの交響曲第8番。
ケンペの特質である自然で流麗なフレージング、透明な音色感、生気に満ちたエネルギーの解放が際立った演奏です。
第1楽章冒頭から美しく歌うチェロに心奪われ、コーダでは見事なアッチェレランドが白熱したクライマックスを演出します。
有名な第3楽章は特に聴き物で、ケンペの繊細なリリシズムを反映し、時にポルタメントをかけたノスタルジックで甘美な弦の旋律が印象的です。
オリジナルLPは2枚組でしたがCDは1枚に収録しています。