『「劇画の星」をめざして 誰も書かなかった〈劇画内幕史〉』

昭和の貸本漫画時代から劇画の黄金期、そして衰退へと向かう激動の半世紀を、著者・佐藤まさあき自身の
歩みとともに赤裸々に綴った自伝的ノンフィクションです。

そのあらすじの要約は以下の通りです。
1. 漫画への夢と若き日のデビュー
戦後、漫画家への強い憧れを抱きながら育った少年時代から物語は始まります。熱意を胸に原稿を持ち込み、
わずか17歳という若さで漫画家デビューを果たします。

2. 「劇画」の誕生と同志たちとの出会い
昭和30年代、伝説の貸本短編誌『影』の創刊に関わり、さいとう・たかをや辰巳ヨシヒロら、後の漫画史を塗り替える
才能たちと巡り合います。
彼らと共に、従来の「漫画」とは一線を画す、リアルで青年向けの表現様式「劇画」の確立と普及(「劇画工房」の旗揚げなど)に奔走します。
また、自ら「佐藤プロ」を設立し、当時まだ世に広く知られていなかった水木しげるをスカウトするなど、
プレイヤー兼プロデューサーとして劇画界を牽引していきます。

3. 社会的逆風と空前の大ヒット
しかし、時代の寵児となる一方で、「悪書追放運動」という激しい社会的バッシング(規制)の嵐にも直面します。
その逆境を乗り越え、青年誌や週刊少年誌へ進出を果たすと、著者の代表作となる『野望』や『ダビデの星』
(のちに『堕靡泥の星』)が社会現象レベルの空前の大ヒットを記録し、富と名声の絶頂へと登り詰めます。

4. 栄光からの急転直下と転落
メディアの変遷とともに貸本業界が完全に衰退し、自身の経営方針の狂いや独自の挑戦であった「劇画館」の
失敗などが重なり、絶頂から一転してあっという間の転落が訪れます。
多額の借金、漫画家協会からの脱退、私生活での離婚と韓国人女性との再々婚など、まさに「劇画そのもの」
のような波瀾万丈で過酷な日々を送ることになります。
劇画界のトップランナーであった著者が、実名を交えて当時の漫画界・出版界の生々しい裏側(内幕)を暴露しつつ、
自身の「有為転変」に満ちた泥臭い半生を描き切った、貴重なドキュメンタリー作品となっています。

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